今年2月から生産・出荷を再開した日野自動車の大型トラック「プロフィア」(8.9リッターA09Cエンジン搭載車)が4月13日、新たに2種の先進ドライバー支援システム(ADAS)を搭載する一部改良を実施して、同日から発売した。また、車体架装(ウイングボディ)付のメーカー完成車「VQウイングバン」についても、標準設定モデルのバリエーション数を拡充した。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部
写真/日野自動車
先進安全性をさらに充実
今回の改良では、ADAS技術である「レーンキーピングアシスト(LKA)」「ドライバー異常時対応システム(EDSS)」を新たに標準装備(除く消防車専用シャシー)し、安全性能を拡充している。また、従来から標準装備しているオートヘッドランプについては、国連協定規則要件への適合が図られた。
LKAは、車線逸脱時に音声警報を発するとともに、走行車線を維持すべく自動ステアリング操作を行なうシステムである。作動条件は、車速60km/h以上・曲線半径250m(R=250m)以上での走行時で、車線(画像センサーで監視)に対してタイヤの逸脱量が約0.3mを超える直前に警報を発し、続けて油圧パワーステアリングに装着された電動アシスト機能がステアリング操作を行なって、進路を車線内に補正する。なお、従来モデルでは警報のみのLDWSだった。
このLKAの応用機能として、「LTA(レーントレーシングアシスト)」も装備する。LTAは、高速道路などで車線維持をサポートすることで、運転疲労の軽減が期待できる機能で、ハンドルに新設したスイッチで操作できる。
EDSSは、車速15~60km/h未満で走行中に、ドライバーの異常(意識喪失など)を検出した場合、クラクションの鳴動とブレーキランプ、ハザードランプの点滅で周囲に異常発生を発信しつつ、自動ブレーキで徐々に減速し、車線内で停止を行なう機能である。ドライバーが警報で意識を回復した場合は、キャンセル操作も可能となっている。
オートヘッドランプは、2019年モデルから標準装備していたが、今年10月からの装着義務化(車両総重量3.5トン超の貨物自動車)に先立ち、点灯要件を国連協定規則UN-R48準拠とした。具体的には、自動点灯時の周囲の明るさを1000ルクス未満(従来は50ルクス未満)へ変更している。
また、併せて従来は一部車種のみ標準としていたデイタイムランプ常時点灯機能も、今回の改良で全車標準となっている。
このほか、カタログの重量車燃費基準値がJH25モードに対応した表記へと改められている。
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