予算規模1000億円以上! NEDOと物流各社が電動商用車の実用化に向けて巨大プロジェクトに着手

参画する企業が行なうことは……

 プロジェクトの委託事業となるシミュレーションシステムの構築は、助成事業実施先から得られるデータや交通・エネルギー関連データ等を活用することで 運行管理の最適化技術、充電・充填インフラ整備の評価手法、運行データの管理・分析・連携基盤の開発などに取り組む。

 いっぽう上限1020億円の助成事業の内容は、物流企業や路線バス、タクシー会社などにおけるものが中心で、BEV・FCEV商用車の大規模導入を実現するために必要となる運行管理と一体的なエネルギーマネジメント等に関する研究開発となっている。

 具体的には、ヤマト運輸はBEV小型トラック850台、バッテリー交換式BEV小型トラック850台による群馬県全域でのEV車両の大規模実証、および交換式バッテリーを活用した車両運行オペレーションの最適化などを行なう。

 また、物流企業とCJPT、コンビニ各社が燃料電池トラック約300台と、BEVトラック約210台、BEV軽商用バン約70台を用いてFCEV・BEVの大規模実証を行なうほか、日本郵便はBEV軽バン900台と電動二輪車約1800台による地域ごとの気象・走行条件などを踏まえた運行管理を実証する。

 トラック物流以外では、みちのりホールディングス、関西電力などがBEVバスの実証、第一交通産業、Mobility TechnologiesなどがBEVタクシーの運行最適化などの取組を行なうことになっている。

 ただ、国際エネルギー機関(IEA)の試算によるとパリ協定の実現のためには世界全体で8000兆円もの投資が必要とされる。日本が2050年のカーボンニュートラルを実現するためには、政府による大規模プロジェクトを呼び水に、民間の投資を誘発することが不可欠といえる。

 自動車産業は日本の基幹産業であり、裾野の広い産業だ。変革に直面する現状は、日本の国際競争力を強化するチャンスでもある。中小零細企業もカーボンニュートラル実現に向けて前向きに取り組めるように、社会全体の気運を高めることも重要になりそうだ。

【画像ギャラリー】国内で実証が進められているBEV・FCEV商用車(9枚)画像ギャラリー

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