6月は梅雨……、雨のシーズンです。雨が降るとスリップしやすくなって、クルマが進まない、止まらない、曲がらない。そんな危険が危ない(笑)状況になるんですが、もう一つ危ないものが増える傾向があります。それはパンクです。
エッ、晴れててもパンクってするじゃん? って思う方は多いと思います。確かにそうなんですが、タイヤ屋として現場で作業していると、雨の翌日から数日後ってパンク修理が多いなぁ~なんて思うことが多々あるわけですよ。
以下、現場を知り尽くした現役のタイヤマン・ハマダユキオさんのレポートです。
文/ハマダユキオ 写真/ハマダユキオ&フルロード編集部
※2017年6月発売トラックマガジン「フルロード」第25号より
【画像ギャラリー】雨の日はタイヤがパンクしやすい!? 雨とパンクの因果関係を『自主的な研究発表』してみました
■雨で浮いた異物がパンクを助長する?
そもそもパンクに至るメカニズムはどういうものなのでしょうか?
路面に対して横になっているはずの釘やビス、ボルトなどの異物を、なぜ直角に踏んでしまうのか? それは、ご存知の方も多いと思いますが、前のタイヤが横になっている異物を跳ね上げ、異物が立った瞬間に後ろのタイヤが踏むということが多いようです。
フロントタイヤがパンクすることもありますけど、多くのパンクがリアタイヤで発生していることを考えると、「異物を跳ね上げて踏む」というのがパンクに至る原因として多いのかな、と考えられますね。もちろん、それ以外にもさまざまな条件はありますけど……。
そしてこれを助長しているのが雨なんです。雨の降り始めは路面に溜まっていたゴミなどが浮かんできてスリップしやすくなります。さらに降り続くと、砂などの軽いものが洗い流され、タイヤに悪戯をするようなブツが浮いてきたり流れてきたりして、踏まれやすいポジションまで出てきてしまうのです。
■カマボコ状の路面の影響も……
道路には排水などの理由で中央部が高くなるような傾斜がつけられています。そのため路面の端、あるいは轍、カーブの外側にできる水溜まりの中には、何処からか流れ着いた釘やボルト類など、大きな異物が潜んでいる可能性があります。
パンク修理を実施した件数と天候について、短い期間ですが調査したことがあります。その結果、雨が降った当日よりも、その3~5日後にパンク修理が多いことがわかりました。
異物を踏んだ直後はわかりづらく、徐々にエア漏れが始まり、見た目や点検ハンマーでの打診点検で気づくのが数日後だったり、ドライバーさん自身がスペアと交換して後日来店修理という流れだったりして、雨上がりの3~5日後なのかと思います。