市街地を走行する新型。キャブ骨格は従来型を踏襲するが、フロント周りを一新すると同時に各部のフラッシュサーフェス化を図った。グリル部の無塗装の樹脂パネルはふそうのデザインアイデンティティであるブラックベルトを発展させたものだ
メルセデス・ベンツのOM471型第3世代仕様をベースとする6R30型12.8Lエンジン。OM471型と、10.7Lの6R20型の起源であるOM470型は同時に開発された兄弟エンジンだが、ボアピッチは異なり、本体も6R30型のほうがひと回り大きい
上級仕様の「プレミアムライン」の運転席。試乗車のトリムカラーは標準のブラックだが、新たにダークレッドがオプション設定された。シートの左側、従来型でホイールパークの操作レバーが置かれていた場所に電動パーキングブレーキの操作レバーが置かれたのも新しい
新規設定の「スーパーハイルーフキャブ」に備わる大容量の収納棚をすべて開放したところ。下段部分にはブラックベルトのモチーフが展開され、側面に向けて黒い帯が回り込むデザインとなっている
試乗車はパブコ製のドライウイング完成車。試乗時は車両総重量を25トンに合わせるべく荷台にダミーウェイトを積んでいた。4軸低床のバン型は本来容積型であり、200kgほどのエンジン重量増による積載量の減少は問題としないユーザーが少なくないようだ
6R30型エンジン搭載車のファイナルギア比は6R20型と同じだが、低速トルクに余裕があるぶん高いギア段で低回転を保つことができる。車速80km/hはほぼ12速の1000rpmに相当し、室内は静粛だ
12%勾配の下り坂を補助ブレーキを使いながら降りるところ。6R30型搭載車は排気量の増大とともに圧縮回方式エンジンリターダ「ジェイクブレーキ」の改良によって制動力が高まった。試乗車の補助ブレーキはエンジンリターダの弱、強、強+シフトダウンブレーキの3段階で作動する
補助ブレーキレバーと一体化されたマルチファンクションレバー。頂部は変速モードの切り替えで、押すたびにマニュアル/オート/オート・エコノミーが切り替わる
高速周回路を走行中。新型の4軸低床車は直進安定性に優れ、路面の不整にも対応しやすい。直進付近のハンドルの座りは欧州車に近い印象だ
テストコースで行なわれた衝突被害軽減ブレーキの作動デモ。新型スーパーグレートに搭載された「アクティブ・ブレーキ・アシスト6」はダイムラー製の最新世代で、検出精度の向上により静止している歩行者にも対応する
キャブの左右コーナー部に配置されたレーダーが、発進時に接近する歩行者などを検出し、警報する「フロント・ブラインドスポット・インフォメーション・システム」。警告表示はメーター中央部にあらわれる