日野自動車は、国交省から型式指定の取消処分を受けていた5.1リッター直4ディーゼルエンジン「A05C(HC-SCR)」を搭載する中型トラック「レンジャー」低出力車型の再発売を断念した。そのかわり、排ガス後処理に尿素SCRを用いた低出力車型を、今後発売予定のレンジャー2026年モデルに設定する。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部
写真/フルロード編集部、日野自動車
レンジャーを尿素SCR搭載車に一本化

日野は、2022年3月にディーゼルエンジンの認証試験における不正行為を公表、国交省から基準未達エンジンおよび搭載車の型式指定取り消し処分を受けて、対象車の生産・販売を中止した。
型式指定が取り消されたモデルのうち、一部の大型トラックおよび大型バスでは改めて認証試験を実施して型式指定を再申請、国交省の再認可を経て生産・販売を再開したが、現在も型式指定取り消しモデルの再申請に向けた作業が進められている。
しかし、中型トラック「レンジャー」のA05C(HC-SCR)エンジンを搭載する車型については、『対応に想定以上の時間を要している』(日野自動車のプレスリリース)ことから、再申請を断念する。
A05C(HC-SCR)は、排気量5.1リッターの直列4気筒ディーゼルエンジン・A05C型のうち、組み合わせている排ガス後処理装置が尿素フリータイプの「HC-SCR」(DPR-II)となっている機種である。
このエンジンは、2022年3月までレンジャーの車両総重量7.5~11トン未満クラス車において、低出力レンジ(190馬力、210馬力)をカバーする車型で展開してきた。日野ではその後継機として、高出力車型と同様の尿素SCRを用いる新しい低出力エンジンを開発し、今後発売予定の2026年モデルに設定するとみられる。
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