ただ引っ張られているだけじゃない!! 実用化が見えてきた最先端トレーラ用テクノロジーに昂ぶる!!

運転席から降りずに連結作業が行なえるヨーストの「KKS」

ヨーストのKSSはホース/ケーブル類をプラグユニット化。接続作業を半自動化するものだ。写真はKKSのイメージ画像で、青いカバー内側にプラグユニットがある
ヨーストのKSSはホース/ケーブル類をプラグユニット化。接続作業を半自動化するものだ。写真はKKSのイメージ画像で、青いカバー内側にプラグユニットがある

 セミトレーラの連結は、トラクタをバックさせて、トレーラのキングピンにトラクタのカプラを差し込んで行なう。キングピンとカプラを差し込んだ後は、ロックの確認、各種ホース/ケーブル類の接続も必要。ドライバーは必ず降車して同作業を行なう。

 最新のトラクタにはカプラのロック状態を表示するインジケータが搭載されており、連結状態の確認がより簡素化しているとはいえ、人による作業は変わらないのが現状だ。

 ヨーストの「KKS」は「Komfort Kupplungs Sysyteme」の頭文字に由来。メディアでは「自動カップリングシステム」と紹介される通り、連結作業の自動化を図るシステムだ。

 具体的には、トレーラ側のホース/ケーブル類の接続を「ウェッジ」と呼ばれるプラグユニットに一体化し、トラクタのカプラ部にそれを受けるソケットを設置。これによりワンタッチでの連結作業を実現する。

 さらに、自立不可能なトレーラを駐車させるためのランディングギア(支持脚)もリモコン式の電動格納タイプを採用。連結作業の半自動化を実現する。ただし、競合メーカーも含むすべてのトレーラにKKSの搭載が必要なことから、現時点では実用化に至っていない。

シュミッツ・カーゴブルのトレーラ専用コネクテッドサービス

シュミッツ・カーゴブルのトレーラコネクトはトラックのコネクテッド技術のトレーラ版。トレーラの稼働状況など各種情報を収集可能だ
シュミッツ・カーゴブルのトレーラコネクトはトラックのコネクテッド技術のトレーラ版。トレーラの稼働状況など各種情報を収集可能だ

 いすゞ自動車の「MIMAMORI」、日野自動車の「HINO CONNECT」、三菱ふそうの「Truckonect」など、近年は国内でもIT技術を駆使したトラック用コネクテッドサービスが普及。いっぽう欧州ではトレーラメーカー用コネクテッドサービスの展開が加速している。

 欧州最大手メーカーのシュミッツ・カーゴブルの「トレーラコネクト」は、連結したトラクタのID情報取得、トレーラの現在位置、運行状況、積載状況などの情報を収集。収集した情報は、スマホアプリなどから閲覧可能だ。

 冷凍トレーラの場合には、庫内温度、ドアの開閉状況、冷凍ユニットの稼働状況なども閲覧可能。このほか、トレーラEBSの作動履歴、ブレーキパッドの摩耗、タイヤの空気圧などの情報も取得可能。離れていても、トレーラの状態が丸わかりだ。

単体でアシストと回生を行なうロールの「アクシアル」

ロールのアクシアルは車載トレーラ用の電動車軸。トレーラ単体でハイブリッド車のようなアシスト、蓄電が可能で燃費向上に寄与する
ロールのアクシアルは車載トレーラ用の電動車軸。トレーラ単体でハイブリッド車のようなアシスト、蓄電が可能で燃費向上に寄与する

 フランスのトレーラメーカー、ロール社の「アクシアル」は、トレーラアクスル(車軸)に電気モーター兼発電機を組み込んだ電動トレーラアクスルで、加速時のトルクアシストと減速時の回生をトレーラ独自で行なうというもの。

 アクスルチューブにデファレンシャルギヤとリダクションギアを介して最高出力147kWのモーター兼発電機を接続。さらにPTOを介して油圧ポンプを駆動。回生で得た電力はバッテリーに蓄えられ、車両運搬用トレーラの油圧式車載デッキの駆動源となる。

 走行中の加速時や登坂時には、トレーラアクスルを駆動して燃費を約15%改善。開発には世界的車軸メーカーのSAFホランド社が協力している。

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