XD/XFエレクトリックでインターナショナル・トラック・オブ・ザ・イヤー2026を受賞するなどBEVトラックが高く評価されているDAFだが、このたびフラッグシップのXG系にも電動モデルが設定された。
キャブ室内高が2.2メートルに及び、欧州車でも比類のないキャブ空間を誇るXG/XG+は長距離輸送のための大型トラックで、洗練されたパッカー製電動パワートレーンにより、1日の走行距離が1000kmを超える国際輸送にゼロ排出とともに最高の快適性を提供する。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部
写真/DAF Trucks N.V.
DAF、フラッグシップのXG系にBEVモデル
オランダのアイントホーフェンに本社を置く欧州大手のトラックメーカーで、米国パッカーグループに属するDAFトラックスは2026年1月13日、電動車両の拡大を発表し、新たに「XGエレクトリック」及び「XG+エレクトリック」を導入した。
XG/XG+はDAFのフラッグシップとなる大型トラックで、ついにバッテリーEV(BEV)モデルが設定された形だ。同社の大型車では、「XDエレクトリック」及び「XFエレクトリック」がインターナショナル・トラック・オブ・ザ・イヤー(IToY)2026を受賞するなど高く評価されているが、これまでXG系には電動モデルの設定がなかった。
新たに導入するXG/XG+エレクトリックは、IToY2026でも高評価の理由とされた電動パワートレーンとLFPバッテリー技術、優れた快適性など、そのDNAを受け継ぐとともに、今日の市販トラックで最大のキャブ内スペースを誇る。
これによりDAFは(欧州市場の)現行のトラックレンジ全てに電動モデルを設定した。車両総重量(GVW)12/16/19トンの「XBエレクトリック」は都市部での集配送用、「XDエレクトリック」は地場から中距離輸送用、「XFエレクトリック」は長距離輸送用という棲み分けだ。
いっぽうXG系はXFとキャブ骨格を共有しつつさらに室内空間を拡大したプレミアムセグメントのトラックで、長さでいうと33cm延長してキャブの総容積は12.5立方メートルに及ぶ。とりわけ室内高は最大2.2メートルという比類のない高さで、身長が2メートルを超えるドライバーでもキャブ内を立って歩ける広さだ。ベッドの幅も80センチを確保している。
大柄な人が多いオランダ市場で、これ以上の快適性を提供するトラックは他にない。
パワフルで洗練されたパワートレーン
XG/XG+エレクトリックに搭載するのは、パッカーの「EX D2」電動パワートレーンだ。パッカー製の電動パワートレーンで最もパワフルな同機は270~350kW(370~480hp)の馬力と、2400Nmのトルクを発揮する。
電動モーター2基と3段トランスミッションを組み合わせたコンパクトなパワーユニットであり、スムーズなギアシフトと優れた運転快適性を提供する。
最大限の柔軟性を実現するためバッテリーパックはモジュラー式となっており、用途に応じて3~5個を取り付けることができる。バッテリーパック5つの構成では1充電当たりの航続距離は最大500km以上。(途中での充電を前提に)適切な充電プランを設定することで、1日当たりの走行距離が1000kmを超えるような長距離輸送を、純電動・ゼロ排出で行なうことができる。まさに長距離輸送のためのトラックである。
この航続距離はパッカーEX D2パワートレーンの優れた効率によるもので、XFエレクトリックや同グループに属する米国のケンワース/ピータービルトのトラックも同じパワートレーンを採用している。
駆動方式はXD/XFエレクトリックと同様、中央に配置したモーターが、プロペラシャフトを介して後軸を駆動するセントラルドライブ方式となる。
他の欧州メーカーでは、モーター・トランスミッションを駆動軸と一体化し効率化を図った電動アクスル(eアクスル)方式を長距離輸送用モデルに設定することが多いが、セントラルドライブでeアクスル並みの効率を実現したことはIToYの受賞理由にもなっており、その効率性は折り紙付きだ。
駆動軸などディーゼル車で実績のあるコンポーネントを使用できることや車型展開の容易さなど、セントラルドライブ方式によるメリットも多い。
また、DAFのバッテリー管理システムと車両の空力設計も、印象的な航続距離に貢献している。同社がいわゆるネクスト・ジェネレーション・ダフ(NGD)でトラックのモデルチェンジを一挙に進めたのは、トラックの燃費・空力改善のために施行された欧州の新寸法規制への対応がきっかけだった。
従来のLF/CF/XFというラインナップから、NGDではXB/XD/XF/XG/XG+へと刷新された。キャブを絞り込んだシームレスなテーパードデザインや湾曲したフロントガラスなど、NGDの空力特性は電動トラックレンジでも遺憾なく発揮されている。
さらに、サイドスカート、デフレクター、フェンダーなどの空力パーツと、従来のミラーの代わりに搭載するデジタルカメラも、これを強化している(トラックのミラーは大きく、カメラに代えることで前面投影面積をかなり小さくできる)。



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