混合交通だから仕方がないといえばそれまでだが、トラックドライバーは二輪車の危険走行に絶えず悩まされている。
コロナ禍で普及した「フードデリバリー」には運転マナーが悪いという声も多かった。また新しいモビリティとして「電動キックボード」が解禁され、2023年7月からはその新ルール(免許不要、原則公道走行など)が開始する。
職業ドライバーはこうした車両の危険走行をどう見ているのか? 運輸労連が毎年行なっているアンケート調査からお伝えします。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部、写真/ブルロード編集部・写真AC
表/全日本運輸産業労働組合連合会
(なお掲載の写真はすべてイメージです)
アンケート調査について
トラックドライバーなど輸送分野の労働組合である全日本運輸産業労働組合連合会(運輸労連)は、ドライバーから見た二輪車等の危険走行についてのアンケートを毎年実施している。
急速に普及したフードデリバリー(中食デリバリー)の自転車、バイク、原付等の運転マナーの悪さが問題視されるようになった2020年から行なっている「自転車およびフード(中食)デリバリーの危険走行に関するドライバーアンケート」だ。
第1回のアンケートでは、職業ドライバーのおよそ95%が二輪車等の走行に危険を感じていることが明らかになったほか、フードデリバリーによる様々な危険行為が散見された。これを受けて運輸労連は、加盟する交運労協の政策・制度要求を通じて国交省や警察庁に対して運転マナーの向上や取り締まり強化、道路整備の促進などの要請を行なっている。
いっぽうで、自転車と自動車との交通事故件数が高止まりしており、さらに電動キックボードをはじめとする新しいモビリティも登場した。
東京・大阪など都市部での実証実験を経て、2023年7月1日より電動キックボードは「特定小型原動機付自転車」に分類され、全国の公道を走ることができる(原則として車道走行)。併せて運転免許は不要(ただし16歳未満の運転は禁止)となる。
より手軽なモビリティの登場は利用者の利便性に資するいっぽうで、懸念されるのが事故の増加だ。自動車やトラック、大型トレーラまで混在する道路環境では、交通ルールやマナーにおいて、新たな課題が生じている。
運輸労連の調査は、職業ドライバーの視点から道路利用者の問題点を把握し、交通ルールの遵守や今後の道路政策につなげることを目的としており、その第3回調査結果が、2023年3月20日に公表された。運輸労連加盟単組のドライバーを調査対象とし、全国の計8980名のアンケートをまとめたものとなっている。
回答者のおよそ半分は運転歴20年以上のベテランで、年齢は40代~50代が多い。車両は「バン」が7.4%、普通トラック(5トン未満)が36.1%、中型(8トン未満)が22.3%、大型(8トン超)が23.1%、トレーラが7.4%などとなっており、積み荷は「宅配」「貸切」「雑貨」などが多かった。
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