車輪脱落事故防止の要・ホイールナットの確認項目
■ホイールナット
確認項目:点検 『ナットの座金が回転するか点検しましたか?』『円滑に回転しないナットはありましたか?』
これは、ナット本体とワッシャーの隙間からオイルを塗布した後、ワッシャーを回してスムーズに異音なく回れば問題はありません。摩擦によるロスも少なく軸力も安定して発生するでしょう。
確認項目:取り付け 『ホイールナットをなるべく奥まで手で回し入れましたか?』
ネジ部の状態が良ければスムーズに軽い力で入っていきます。キズがあったりネジ山が潰れたりしてると、手の力ではナットは回りません。ナットがスムーズに回って目標値の軸力確保となります。手で回らない場合はボルト、ナットに異常があると判断で交換することをお勧めします。
確認項目:トルク 『ホイールナットを規定のトルクで締め付けましたか?』
軸力の測定は簡易的にできるものではないので、測定や管理が比較的容易なトルク値で締め付けます。規定トルクで締め付けをすれば如何なる場合も安定した軸力を得ることができるということではなく、ハブとホイール、リアであればホイールとホイールの当たり面が平滑でありボルト、ナットに損傷もなくスムーズに回転する前提での規定値なので、ボルト、ナットのネジ部の清掃、給油で使用過程でも限りなく状態を良くすることが肝要なのです。
そこで脱輪事故の最も不可解な部分、軸力の確保の話になるわけですが、締め付けの際にナットとワッシャー、ボルト、ナットのネジ部がスムーズに回らず、締め付け力が摩擦抵抗で損失。摩擦力+締め付け力でのトルク値になり、見かけ上は規定値で締め付けできてるとしても、実際にはそれ以下というのが行き着くところナットの緩みなんだろうと考えます。
今回の国交省の「大型車の車輪脱落事故防止キャンペーン」は、せめてナットだけでも状態を確認、悪ければ交換することに重点が置かれていると思います。その際の作業もチェック項目を段階的に進めていけば、締め忘れや軸力不足も減少するのではないかという狙いもあると思います。
タイヤの適切な使用管理は安全運転の基本です。皆さんもぜひ事故防止にご協力ください。
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