初秋のドイツ トラック紀行ふたたび その3

初秋のドイツ トラック紀行ふたたび その3
カールスルーエからヴェルトへ。ここにはダイムラートラックのヴェルト工場があります。ちなみにヴェルトのあるラインラント=プファルツ州は、その名の通りライン川沿いのドイツ西南部に位置しています。ダイムラーやポルシェ、ボッシュなどの本社のあるシュトゥットガルトを州都とするバーデン=ヴュルテンベルク州もお隣なので、物流その他のインフラを含め、自動車産業にとって地の利がいいことが窺えます。
また、クルマ好きなら誰しも食いついてくれると思いますが、あの自動車レースの聖地「ニュルブルリンク」もこの州にあるんですね。ただ「ニュル」は伝説のサーキットというより、今や開発中の新型車をテストするコースというか、たぶんに「ニュルで鍛えた」という称号を欲するメーカーの思惑が先行するサーキットになっちゃってますね。新型クラウンだってニュルで鍛える時代ですから、ニュル詣でにはいろいろとご利益があるのでしょう。
さて、ダイムラートラックのヴェルト工場は、メルセデスブランドのトラックを製造するトラック工場で、GVW6.5t超のトラックの組立工場としては世界最大。工場の規模は2.9㎢で、これはサッカー場が400個入る大きさなんだとか。何度訪問してもそのデカさに圧倒されてしまいます。
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この地は昔は漁村だったそうで、おそらくライン川でサケやマスを獲っていたんでしょうね。ダイムラー・ベンツAGは1960年、ヴェルトの自治体からライン川沿いのこの「ヴェルト・アイランド」と呼ばれていた地域を建設用地として購入。工場が稼働を開始したのは1963年で、2013年には工場の創業50周年を迎えています。
生産能力は1日400台(最大470台)。年間生産台数は10万台を超えており、1963年以来、これまで300万台以上の商用車が「Made in Worth」印をつけて出荷されたそうです。ここで生産されるメルセデスベンツのトラックは、「アクトロス」「アロクス」「アクサ―」「アントス」「アテーゴ」の、言ってみれば「アの字トラック五人衆」(正確にはAの字だけど……)。それにスペシャルビークルの「エコニック」「ウニモグ」「ゼトロス」が加わりますから、メルセデスブランドの錚々たる大物たちがここで生産されていることになります。

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