三菱ふそうは、EVトラックの課題である充電時間を解決するため、バッテリー自動交換ステーションを開発する米・アンプル社とともにバッテリー交換EVの開発を進めている。
昨年2024年8月(〜11月)には、アンプル社、ヤマト運輸とともに京都市内でバッテリー交換式EVトラック(eキャンター)の公道実証を実施したが、このほど、新たに三菱自動車を加えた4社で150台超のEV商用車をつかった実証を東京都内で行なうと発表した。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部、写真/三菱ふそう・フルロード編集部
東京都で実施するバッテリー自動交換EVの実証実験の概要
三菱ふそう、三菱自動車、Ample、ヤマト運輸の4社は、バッテリー交換式EVの実用化に向け、2025年9月から東京都内で150台以上のEV商用車と、14基のバッテリー交換ステーションを用いた大規模な実証実験を開始する。
この取り組みは、東京都と東京都環境公社による2024年度「新エネルギー推進に係る技術開発支援事業」にも採択されており、産官連携して物流業界の脱炭素化とEVシフトの加速を狙う。
今回の実証では、三菱ふそうの小型電気トラック「eキャンター」と三菱自動車の軽商用EV「ミニキャブEV」ベースのバッテリー交換式EVを、ヤマト運輸の実際の集配業務で使用し、東京都内の複数箇所に設置した14基のアンプル製バッテリー交換ステーションでバッテリー交換を実施。
バッテリー交換式EVの大規模運用の可能性、異なるブランド・サイズの車両がバッテリー交換ステーションを共用できるかどうか、集配業務での実用性や車両性能の評価、内燃車・充電式EVと比較した際のコストや運用効率、今後のEVインフラ構築に向けた基礎データの収集などの検証を行なう。
アンプルのバッテリー交換ステーションは、コンパクトかつ短期間で組み立てができるため、東京都のような高密度な都市環境においても効率的なインフラ整備が可能になるほか、全自動で行われるバッテリー交換はわずか5分で完了(交換目標時間)でき、生産材である商用車として無視できない、EVのダウンタイム(非稼働時間)の大幅な短縮が実現できる。
バッテリー交換式という選択肢が、商用車の電動化を現実的なものにできるか。注目していきたい。
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