梅雨の合間のぶらり旅 その1

梅雨の合間のぶらり旅 その1
「辻村植物公園」に行って来ました
前から行きたかった「辻村植物公園」に行って来ました。「そんな公園、知らない」という人の方が多いと思いますが、なぜ行きたかったかは後述するとして、まずは公園の紹介から…。
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辻村植物公園は、小田原厚木道路の荻窪ICのごく近くにあります。小田原こどもの森「わんぱくランド」や「いこいの森」と隣接しているので、この一角で広大な森林公園を構成していることになります。「海」のイメージが強い小田原ですが、この森林公園は小田原の「山」の財産というべきもので、小田原というのはなかなか懐が深いんですね。
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小田原市の資料によると、辻村植物公園は、昭和61年小田原市が辻村農園主・辻村克良氏の協力を得て、平成2年6月に植物公園として整備し開園しました。辻村植物公園の前身の辻村農園は、小田原の素封家・辻村家の6代目の辻村常助氏と弟の伊助氏によって、明治40年代に創立されたそうです。創立当時は、小田原駅付近にあったのですが、大正7年頃国府津から小田原に鉄道が敷設されることに伴って、現在の場所に移転されました。
辻村農園は、西洋草花を主として扱い、そのほか種子や球根の通信販売等も手掛けるなど、当時としては先進的な農園の経営をしていました。また、諸外国から樹木の種子を取り寄せ、庭園や公園樹としての試作もしました。それらの樹木のうち、ここの風土に適したものが残り、年月を重ねて、他の植物園や植物公園などでは決して見ることのできない外国原産樹の美しい景観を形作るに至りました。ちなみに公園面積は約4.7h。生息している植物の数は約585種類にのぼるそうです。
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よく手入れをされた梅林 ちょっと水戸の偕楽園を思い出しました
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色づき始めた梅の実が、ほのかに芳香を放っています
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竹林の木道も風情がありますな
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花が百合に似ているところからユリノキ でもチューリップの花にも似ているのでチューリップノキとも呼ばれるんだとか 葉の形もいいよね
公園のなかで目立つのは、やはり梅林で、いまは梅の実が膨らんで、もう少しで収穫できそう。ユリノキやユーカリも有名です。石のモニュメントが並ぶ開放的な「太陽の丘」で朝食代わりのサンドイッチを食べたのですが、キラキラ光る相模湾を見下ろしながら、緑に囲まれて食べるお弁当は最高ですね。平日の朝なので誰もおらず、ただただユーカリの木のてっぺんでシジュウカラの澄んださえずりだけが聴こえてきます。
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「太陽の丘」の巨大な椅子のモニュメントとユーカリの木 小鳥のさえずりだけが聴こえます
その後、針葉樹林を抜けて近くの「水之尾毘沙門天」に向かうことに……。この針葉樹林もよく手入れがされており、正式には針葉樹見本林というそうです。ただ、上ばかり見上げていたら、道を横切っていた青大将を踏んづけそうになりました。実は、3日前にも大井ふ頭の中央海浜公園で青大将を踏んづけそうになった経験をしたばかりなので、余計びっくり。他の人は、蛇を踏んづけそ
うになることって、一般の人はどのくらいの頻度で経験しているんでしょうか? ま、蛇は嫌いじゃないので、こういうニアミスは楽しいハプニングなんですが、次はマムシを踏んづけないように気をつけないと……。
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尻尾だけだし、ボケてるし…。青大将は結構素早いッス!
水之尾毘沙門天」はなかなか風情のある神社でしたが、ここは猿がよく出没するそうです。辻村植物公園には「イノシシに注意」の看板もあったし、なんかワイルドだぜ~。
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さて、このへんで冒頭の「なぜ辻村植物公園に来たかったか」の理由を記しますが、現在、辻村農園の8代目当主が辻村百樹さんという人なんですが、実はこの人、長らくいすゞ自動車の広報を担当していた人で、その後、ヒュンダイモータージャパンの広報にも在籍するなど、この業界では有名人なんです。去年の東京モーターショーの会場で久しぶりにお会いし、「今、どうしているんですか?」と聞いたら、「東京に住んでいるけど、辻村家の当主として山の管理をしています」とのこと。辻村植物公園のことは前から知っていたので、これは是非とも行ってみなくっちゃ!となったわけです。
しかも辻村さんは、農園や林業の仕事だけではなく、最近では、株式会社T-FORESTRYを立ち上げ、隣接する保有山林内に森林冒険施設「フォレストアドベンチャー小田原」を開設。ここは、専用の安全ハーネスを装着して縄バシゴで木に登り、さまざまな方法で空中を渡り、地上へはジップスライドで一気に滑り降りるという、壮大な森の中での遊びやアクティビティを通して「自分の行動と安全は自分で管理し守る」という自立心や「森林の自然環境の中を冒険する」という冒険心を養おうというもの。要するに、森の木々ともっと触れ合ってもらうことを目的とした、子供から大人まで楽しめる新次元のアドベンチャースポーツなんだそう。
今回は、この「フォレストアドベンチャー小田原」まで回れなかったけれど、辻村家が代々受け継いできた郷土愛に根ざした仕事を、さらに発展させた形で次代に繋ごうというもので、自動車メーカーの広報という前職とはまったく異なるけれど、ここでも辻村さんらしい仕事ぶりを発揮していることが窺えます。「辻村植物公園」は、本当に何もない森の公園だけれど、輝く緑が誘う、森が森らしい素晴らしい公園でした。
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森へのパスポート すてきな冒険 はじまる かな?

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