帰ってきた海コン運ちゃんの現場報告

帰ってきた海コン運ちゃんの現場報告

その7 中には面倒なコンテナも…

同じ海上コンテナでも、特記事項として「クリーンバン」や「リング付き」なんてのがある場合は、テナーのオペレーターさんにコンテナを積んでもらう前に一度地面に置いてもらって、運転手自らコンテナ内のチェックをしなければならないことがあるんですよ。クリーンバン指定なら、コンテナ内に油染みや汚れ、異臭がしてないこと。リング付き指定の場合は、コンテナ内上下の隅っこにラッシング・リングが多数付いてて、さらに全てのリングが正常に使えることを確認します。
自分の判断で「OK」であれば、オペレーターさんに「○(まる)」サインを出して、そのコンテナを積んでもらい、「こりゃー、ちょっとダメだな」って場合は「×(ばつ)」サインを出して、「OK」なコンテナが出てくるまで、何本もコンテナを出してもらいます。
リング付き指定なら、全てのラッシング・リングに太めのロープが通せるようになってれば「OK」で、一つでも潰れてたりしてロープが通せないようなら「NG」を出すって感じで、判定基準が分かりやすいんですが、クリーンバンは慣れないと結構難しいんですよ。
ヤード側で明確に「これはクリーンバンだよ」って、他のコンテナと分けてる場合は運転手の判断は必要ないんで楽なんですが、そーゆー区別をしてないヤードだと、「これは平気なの? それともダメなの?」ってのを、自分の感覚なり経験で判断しないとなんないですから…。
クリーンバンの指定をしてるってことは、荷物というか、品物が入ってる段ボール箱なんかが汚れちゃったり、品物に変なニオイが付いちゃうのが困るから「クリーンバン指定」にしているので、自分の場合は、荷主さんや荷受け側の立場になって「このコンテナには品物は入れたくない」「こんなコンテナで運ばれてきた品物はイヤだよ」って思うコンテナには「NG」を出して、「このコンテナなら品物を入れても安心だ」「こーゆーコンテナに品物が入っていればキモチがイイな」って思うコンテナには「OK」を出してます。この辺のチェックを「いーよ、いーよ。OK、OK」なんて感じで手を抜くと、その空バンを引っ張って現場へ行った時に、「こんなのじゃ使えねーよ。ちゃんとした空バンを持って来い!」なんて追い返されるケースがあるんで、コンテナを取る運転手が、しっかりとやんないと信用問題になっちゃいますね。
でも、たまにクリーンバンとして「OK」を出せるコンテナが全くない場合もあるんですよ。そーゆー場合は、乙仲さんにその旨を伝えて、「その程度の汚れやニオイなら目をつぶる」のか、それとも「その日はあきらめ、翌日にクリーンバンとしてOKを出せるコンテナを再び取りに行くか」って判断をしてもらいます。こればっかは、コンテナ内に詰める品物によって判断が変わるんですけど、自分はクリーンバンがなくって、翌日再度取りに行ったという経験が何回かあります(笑)。
空バンをシャーシに載っけてもらったら、アウト・ゲートへ向かい、ヤードの人にコンテナの外側および内側のチェックをしてもらいます。このアウト・チェックで、コンテナの穴あきや、激しいダメージが発見された場合は、もう一度ヤード内に戻って正常なコンテナと積み替えてもらうか、そのままヤード内の修理場へ行って修理してもらい、再びアウト・チェックを受けます。アウト・チェックで「OK」が出たら、EIR・搬入票・シールを受け取って空バンの搬出は完了…、と思いきや、まだやらなきゃいけない事があるんですよねぇ。

ヒロさんのブログのURL
http://ameblo.jp/trailer/

 

20070131_南本牧_テ.jpg

最新号

【特集】さらなる飛躍へ スカニアSUPER フルロードvol.57 本日(6/10)発売!!

【特集】さらなる飛躍へ スカニアSUPER フルロードvol.57 本日(6/10)発売!!

自動車雑誌ナンバーワンの「ベストカー」が自信をもってお送りする本格派のトラックマガジン!! 今号では…