南欧ではじめての大型トラック自動運転プロジェクトが始動! イヴェコとプラスAIなどがスペインで実証運行へ

南欧ではじめての大型トラック自動運転プロジェクトが始動! イヴェコとプラスAIなどがスペインで実証運行へ

 イタリアの商用車メーカー・イヴェコと、米国で自動運転システムを開発するプラスAIは、スペインで自動運転レベル4(一定の条件下での完全自動運転)の大型トラックを運行する新たなプログラムを開始する。

 運送会社や州政府とも提携する複数年に渡るプロジェクトとなり、首都マドリードとサラゴサ間の公道で自動運転トラックによる貨物輸送を実証する。レベル4自動運転トラックの運行は南欧では初めになるという。

文/トラックマガジン「フルロード」編集部
写真/Iveco・Plus.ai・Sesé

イヴェコとプラスAIがスペインで自動運転プログラムを開始

南欧ではじめての大型トラック自動運転プロジェクトが始動! イヴェコとプラスAIなどがスペインで実証運行へ
イヴェコ、プラスAI、セセ、アラゴン州(スペイン)が、南欧初のレベル4自動運転トラックのプロジェクトを開始する

 イタリアの大手商用車メーカー、イヴェコは2026年1月12日、米国カリフォルニア州を拠点に自動運転トラック向けのソフトウェアを開発しているプラスAIと共同で新たなプログラムを開始すると発表した。

 南欧では初めてとなる大型トラックのレベル4自動運転システム(ADS)を、スペインの大手物流事業者であるセセ、および同国アラゴン州政府と提携してローンチする。

 イヴェコとプラスAIは、ドイツでは既に自動運転トラックの実証実験を進めているが、規制当局との連携も必要な事業であり、欧州各地で実用化に向けた取り組みを加速する。

 このプログラムを通じてイヴェコとプラスAIは「PlusAI SuperDrive」仮想ドライバー(自動運転システム)を搭載するレベル4自動運転トラック2台を開発し、2026年から複数年に渡る試験運用を実施する。

 試験期間中は安全のために人間のドライバー(セーフティ・ドライバー)がトラックに搭乗するという。

 自動運転トラックは、イヴェコの大型トラック「S-ウェイ」をベースにしており、セセの運行するルートで貨物を輸送することになる。スペインの首都マドリードとアラゴン州の州都サラゴサを結ぶ約300kmの貨物路線だ。

 イヴェコグループで最高技術責任者兼デジタル責任者を務めるマルコ・リカルド氏は次のように話している。

「車両の自動化はイヴェコグループの技術戦略において重要な柱となっています。プラスAIとの強固なパートナーシップをさらに強化し、イヴェコのトラックに搭載するADASおよびADS技術の革新に取り組めることを嬉しく思います。

 このプロジェクトは、お客様に最高品質のテクノロジーを提供し、より持続可能な輸送を実現するという私たちの目標を、さらに前進させるものになるでしょう」。

 いっぽう、プラスAIのCOO兼共同創業者のショーン・ケリガン氏は次のように話している。

「自動運転トラックは世界の貨物輸送を根本から変える可能性を秘めた革新的な技術であり、道路の安全性を劇的に向上させます。イヴェコとのパートナーシップを拡大し、レベル4自動運転トラックの運行を(これまで実証実験を行なっていた)ドイツに加えてスペインまで拡大できることを誇りに思います」。

自動運転トラックは地方自治体にとっても新たな機会に?

南欧ではじめての大型トラック自動運転プロジェクトが始動! イヴェコとプラスAIなどがスペインで実証運行へ
アラゴン州とセセ、イヴェコは昨年末に自動運転トラックで協定を締結していた

 イヴェコは自動運転・コネクテッド技術の研究開発に長期的に取り組んでおり、SAEレベル2を超える自動運転プログラムに関しては米国のプラスAIと共同で試験・実証実験を行なっている。

 なお、プラスAIの仮想ドライバーはトレイトングループ(スカニア、マン、インターナショナルなどが所属)や韓国の現代自動車などのトラックにも搭載されている。1月14日には日本のT2との戦略提携に向けた覚書を締結しており、日本市場のニーズを踏まえた自動運転トラクタの導入を目指すという発表もあった。

 スペインの地方自治体であるアラゴン州政府は、2025年12月2日にセセやイヴェコと南欧初の自動運転トラックプロジェクトを立ち上げることで協定を締結していた。

 この協定を通じて、アラゴン州は物流革新の先駆的な地域となることを目指すといい、イヴェコは自動運転トラック開発の主要プレーヤーとしての地位を確立すること、セセはサプライチェーン変革のリーダーシップを強化することなどを目指している。

 プロジェクトは2026年から2027年にかけてはシステムのキャリブレーションと安全性、技術検証に重点を置くいっぽう、2028年からはマドリード・サラゴサ間での自動運転トラックの運行を通じて、より実用性を高めていく。

 トラックの自動運転は、たとえば燃料消費を削減して貨物輸送の効率と持続可能性を高めたり、先進技術により道路の安全性を向上すること、サプライチェーンのコスト合理化などにより、このセクターに新たな機会を創出するという。

【画像ギャラリー】イヴェコとプラスがドイツで行なった実証走行の様子(9枚)画像ギャラリー

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