四輪部門では、サインツやローブといったベテランのビッグネームが早々とリタイアを喫するなど、今年のダカールラリーは荒れ模様だ。
そんな中、日野チームスガワラのHINO600はマラソンステージの前半戦に挑み、パンクやミスコースに見舞われながらも、堅実な走りでこの日も無事ゴールした。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部、写真/日野自動車・A.S.O.
パンクとミスコースで若干遅れるも車両は万全
前半戦終盤の2日間はマラソンステージ。8日はその前半としてアル・ヘナキヤ~アルウラ間で第4ステージの競技が行なわれた。
アルウラはメカニック不在のマラソンビバークとされ、参加者は自身が整備した車両で後半のハイルへの行程に臨む。
外部からのパーツ供給も受けられないため前半のステージでスペアタイヤを使い切ったり、大きなアクシデントを起こすと後半の競技に大きな影響を及ぼす。48Hクロノステージに次ぐリスクの高い行程である。
HINO600シリーズでトラック部門に参戦している日野チームスガワラは、この日も順調に走行。パンクとミスコースがあったが、415kmのSSを4輪部門総合88位、トラック部門11位でゴールし、この日までの累積順位を総合57位でトラック部門の8位とした。
この日のSS(競技区間)はアル・ヘナキヤのビバークからリエゾン(移動区間)で北方に173km移動した地点からスタート。さらに北方のアルウラへ向かう。
アルウラ周辺には砂丘は見られないが、山間地を縫って走る路面は砂地やグラベル以上に石が多い。アル・ヘナキヤへの行程でも見られたフェシフェシの中に溶岩のような尖った石がごろごろしている砂地や荒れた岩盤など、パンクのリスクも高かった。
菅原照仁/染宮弘和/望月裕司組のHINO600はこのSSを引き続き慎重に走行。途中の岩場で右後輪がパンクして交換したほか、中盤のナビゲーションの方位の指示が複雑な区間で20分~30分ほどのミスコースがあったが、それ以外は順調で無事ゴールに到着した。
SSゴール後は1kmの移動区間を経てアルウラのビバークへ。乗車メカニックの望月裕司が車両を点検したが、細かいダメージ以外に問題はなく、明日9日のステージも万全の状態で競技に臨む。
前半戦の最終日となる9日はアルウラ~ハイル間に428kmのSSが予定されている。ハイルのビバークではアル・ヘナキヤから直接移動してきた日野チームのスタッフが10日の中間日を使って車両をリフレッシュするべく準備を進めている。
【日野チームスガワラのスタッフのコメント】
菅原照仁
パンクとミスコースでタイムロスがありましたが、それ以外は順調です。3人も元気でマラソンの後半も頑張って走ります。
望月裕司
車体は大きなダメージなく良い状態を保っています。次にパンクしてもすぐスペアを出せるようパンクしたタイヤの位置を入れ替えたり、明日に向けた準備も行ないました。
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