デンソーなど7社はトラックの荷台を着脱式としたスワップボディコンテナによる「SLOC」実証実験の結果を公表した。
必要なドライバー数は12名から7名に、所要時間は最大30%、CO2排出量は46%削減するなど大幅な輸送効率の向上を確認し、「物流の2024年問題」解決に向けた有効な手段であるとした。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部
写真・図/株式会社デンソー・フルロード編集部
デンソーの「SLOC」実証実験
株式会社デンソー、アスクル株式会社、エレコム株式会社、タカラスタンダード株式会社、三井倉庫ロジスティクス株式会社、安田運輸株式会社、大和ハウス工業株式会社の7社は、2023年7月に実施した「スワップボディコンテナ」による幹線中継輸送サービスの実証実験結果を、11月17日に公開した。
スワップボディコンテナは、荷物を積載するトラックの荷台(コンテナ)部分を脱着できるようにした車両で、デンソーは「運ぶ人にも地球にも幸せが届く、ウェルビーイングな物流の未来」として、スワップボディコンテナによる「SLOC(Shuttle Line Of Communication)」を提唱している。
その実証実験は2023年7月10日(月)から14日(金)まで、静岡県浜松市と埼玉県坂戸市を中継地点とし、関東・関西間にて実施された。
実証実験ではドライバーの労働環境改善と輸送効率向上を目指し、スケジュール通りに運行できるか、ドライバーによるコンテナの脱着オペレーションがスムーズに行なわれるかなど、社会実装に向けた課題の抽出を行なった。
主な検証項目は次のようなものだ。
・1日6便(関西発3便/日、関東発3便/日)を運行し、事前に合意したスケジュール通りに運行できるかの検証
・中継地点に複数台のコンテナが置かれた場合でも、ドライバーが間違えずに脱着できるオペレーションの確認と課題の検証
・スマートフォンとQRコードを活用したコンテナ管理システムの利便性確認
・複数荷主の貨物を混載輸送した場合の役割分担や責任区分の確認と課題の検証
実証実験の結果、SLOCが物流業界における人手不足や長時間労働を緩和し、働き方改革による「物流の2024年問題」の解決に向けた有効な手段の一つであること、そしてCO2排出量を削減し環境負荷低減にも貢献することが確認された。
とはいえ、実運用ではルートや荷量・荷物の種類など様々な条件が、天候や需給によって変動する。実証実験に参加した各社は、今後、SLOCの社会実装に向けて、手順やルールを標準化するなど安定運用が可能な仕組みへと進化させ、混載・共同輸送にも適応すべく、さらに検証を進めて行く。
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