G7広島サミットでカーボンニュートラル車の多様な選択肢を披露! EV商用軽バンのプロトタイプから最新FCVまで日本の取り組みを開陳!

G7広島サミットでカーボンニュートラル車の多様な選択肢を披露! EV商用軽バンのプロトタイプから最新FCVまで日本の取り組みを開陳!

 日本自動車工業会(自工会)は5月18日〜21日にかけ、「G7広島サミット(主要国首脳会議)」の開催に際し、G7の国際メディアセンターに隣接する「ひろしまゲートパークプラザ」で自動車業界のカーボンニュートラル達成に向けた取組みを紹介する展示を行なった。

 「 Diversity in Carbon Neutrality  カーボンニュートラルにも、多様性を。」を題したこの催しでは、日本のゼロエミッション車両であるFCEVやBEVなどがお披露目され、世界に日本の取り組みをアピールした。

文/フルロード編集部、写真・図/ダイハツ・日本自動車工業会・フルロード編集部

商用FCEVの展示内容

展示会場となった広場様子。左の方が商用車ゾーンとなっている
展示会場となった広場様子。左の方が商用車ゾーンとなっている

 今回の展示会場では乗用、商用、軽、二輪を含めたFCEV・BEVが合計35台登場し、「オールジャパン、フルラインナップ」が謳われている。

 このうちFCEVの商用車では、先般東京都が出発式を行なった、CJPT(トヨタ・いすゞ・ダイハツ・スズキの合弁会社)が開発を進めるいすゞ自動車の「エルフ」をベースとしたFC小型トラック、トヨタ自動車と日野自動車が開発している「プロフィア」ベースのFC大型トラックが展示された。

 いずれも発電機としてトヨタ製(「MIRAI」と同じ)FCスタック(燃料電池)と高圧水素タンクを搭載し、バッテリー+モーターによる電動化が図られた車両だ。

 エルフFCVの水素フル充填時での航続距離は260km、プロフィアFCVは約600kmほどとなっている。

商用BEVの展示内容

今回自工会が展示した車両のラインナップ
今回自工会が展示した車両のラインナップ

 いっぽうBEVの商用車は、三菱ふそうのEV小型トラック「eキャンター」や、いすゞの「エルフEV」の展示に加え、スズキ、ダイハツ、トヨタが共同開発したBEV商用軽バン(プロトタイプ)も初公開された。

 展示のeキャンターはフルモデルチェンジ前の初代(2020年モデル)だが、祖式運送に納車され現役で活躍している車両で、ボディ側面には芸人のネゴシックス氏が描いたイラストがラッピングされている。

 三菱ふそうは日本でいち早くEVトラックに取り組んだトップランナーでもあり、初代eキャンター(航続距離は約100km)は2017年から発売開始。

 その後フルモデルチェンジした新型が、2023年3月9日より発売され、その航続距離は国土交通省審査値でSサイズバッテリー(バッテリーパック1基)の標準キャブが116km。Mサイズ(2基)はワイドキャブで213km、Lサイズ(3基)では324kmを実現している。

 また、いすゞ初の量産型BEVとなるエルフEVは、ディーゼル・エルフのフルモデルチェンジともに2023年3月7日に発売開始した車両。

 ディーゼルモデルとプラットフォームを共有し、搭載できるバッテリーは2基、3基、5基から選択可能に。航続距離は2基が100km、3基が140km、5基が170kmとなっている。

商用車から二輪まで!! G7広島サミット開幕にあわせてゼロエミッション車両がフルラインナップ
展示車の三菱ふそうeキャンター。衝突被害軽減ブレーキを搭載した2020年モデル

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