国内初のEV商用車専門メーカー、HWエレクトロは東京オートサロンで「エレモ」シリーズの新車種となる中型EVバンを発表した。また、新事業のコネクテッドサービスやカーコンビニ倶楽部との包括的戦略事業提携なども発表された。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部
写真/HW ELECTRO・Cenntro Electric
オートサロンで「エレモL」をお披露目
東京・江東区に本社を置くHW ELECTRO(HWエレクトロ)株式会社は、2023年1月13日~15日に幕張メッセで開催された東京オートサロン2023に出展し、多用途EV商用車「ELEMO」(エレモ)シリーズの新車種である中型EVバン「ELEMO-L」(エレモL)を発表した。
また、新事業・業務提携に関する発表や、エレモ活用企業とのトークセッションを行なった。
工場を持たないファブレスの自動車メーカーである同社は、2021年に輸入小型EV商用車として国内で初めてナンバーを取得し、同年7月より「エレモ」、同11月より軽自動車枠の「ELEMO-K」(エレモK)の販売を開始した。
そして、今回発表した中型バン「エレモL」は2023年の初夏に販売を開始する予定だ。
台湾で生まれ、2歳の時に来日したというHWエレクトロの蕭偉城(ショウ・ウェイチェン)代表取締役が、オートサロンの一日目(プレスデー)にエレモLのお披露目を行なった。
エレモシリーズはアメリカと中国に拠点を置くセントロ社のバッテリーEV(BEV)がベースとなっており、イベントではセントロ・オートモーティブのケリー・チョウ氏が「日本での成功は世界での成功につながると思います。これからも戦略的パートナーであるHWエレクトロととも日本で信頼され、愛される製品を提供し続けます」と話した。
いっぽう蕭氏はエレモLについて、「この車両は後部荷室がとても広いので、今流行っているキャンプ等々のベース車両としても活躍が期待されているクルマです」と、商用車としてだけでなく、ライフスタイルにおいて多様な使い方を楽しむことができる点を新車種の特長として挙げた。
新車種はセントロの「ロジスター260」がベース?
エレモLは一見すると大きく見えるが、幅1850mm×全長5450mm×高さ2050mmというサイズで、日本の道路にも適しているという。
43.5kWhのバッテリーにより一回の充電で最長270kmを走行できる。30-80%充電は急速充電で30分、普通充電の0-100%充電は8時間とのこと。
荷室は幅1690mm×長さ2890mm×高さ1380mm、バックドアの開口部は幅1330mm×高さ1265mmだ。乗車定員2人を含め、最大積載量は1250kgとなる。後部の他、サイドにも積み込み用のドアを備える。
これらのスペックはセントロ社の「ロジスター260」とほぼ一致するため、同車がベースとみられる。もちろん両車のスペックが完全に同じとは限らない。
ホイールベース3380mm、車両総重量3060kg、荷室容量7.5立米のロジスター260は、永久磁石同期式モーターによりいずれもピークで75kW(出力)/265Nm(トルク)を発揮する。
バッテリーはサイクル寿命の長いLFP(リン酸鉄リチウムイオン電池)を採用し、サスペンションはストラット式独立懸架(フロント)/リーフスプリング(リア)となっている。
HWエレクトロはエレモシリーズの荷台オプションやサスペンションシステムなど、単純な輸入EVではないとしているので、もちろん両車のスペックが完全に同じとは限らない。なお、エレモLの価格は未定だ。
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