企業システムとの連携で物流のデジタル化をめざす! いすゞのMIMAMORIがフルチェンジ!

企業システムとの連携で物流のデジタル化をめざす! いすゞのMIMAMORIがフルチェンジ!

 いすゞ自動車のクラウド型運行管理システム「MIMAMORI(みまもり)」がこのほどフルモデルチェンジされた。
 
 10月4日にリリースされた大型トラック「ギガ」2022年型と同時に発表されたものだが、「MIMAMORI」では、なにが新しくなっているのだろうか。

文/トラックマガジン「フルロード」編集部、写真/いすゞ自動車、「フルロード」編集部

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新MIMAMORIの革新性

いすゞ、富士通、トランストロンが2021年3月から構築してきた商用車情報基盤「GATEX(ゲーテックス)」の概念図。運行情報、稼働情報などを集積したデータベースである
いすゞ、富士通、トランストロンが2021年3月から構築してきた商用車情報基盤「GATEX(ゲーテックス)」の概念図。運行情報、稼働情報などを集積したデータベースである

 トラックの運行管理システム(FMS:フリートマネジメントシステム)というのは、運行中の車両の現在位置情報や燃費、ドライバーの運転操作の状況(例:急ブレーキなど)、道路情報などを、運行管理者がリアルタイムでモニタリングできるもので、日報のような書類作成や、CO2排出量、運行経費などのデータ集計も簡単に行なえることから、物流業界でさまざまなFMSが導入されてきた。

 その中でも「MIMAMORI」は、いすゞ、富士通とその関連会社・トランストロンの三社が共同開発したFMSで、初代の「みまもりくんオンラインサービス」以来、約20年におよぶ実績とアップデートを重ねてきた。そして、今回の「MIMAMORI」のフルモデルチェンジでは、三社が新たに構築した商用車情報基盤「GATEX(ゲーテックス)」を利用することが、最大の特徴となっている。

 GATEXは、FMSや車両の稼働支援サービスの提供を目的に構築された情報基盤だが、荷主・運送事業者・倉庫事業者が使用している基幹システム(企業経営における中核的な業務システム)をはじめ、さまざまなシステムとのデータ連携を前提に構築されている。FMS、稼働支援サービスを外部システムと連携させることで、トラック物流のデジタライゼーション(DX)を進めていくことができるのだ。その点で非常に画期的といえるだろう。

新機能も追加

2022年型いすゞ・ギガのインパネ。標準装備のタッチパネル式7インチ・センターディスプレイは、「MIMAMORI」に加入(有償)し、センターディスプレイ専用「バージョンアップパック」を装備することで、MIMAMORI端末として兼用できる
2022年型いすゞ・ギガのインパネ。標準装備のタッチパネル式7インチ・センターディスプレイは、「MIMAMORI」に加入(有償)し、センターディスプレイ専用「バージョンアップパック」を装備することで、MIMAMORI端末として兼用できる

 FMSとして、いくつかの新機能も実装されている。その一つが、ドライバーと運行管理者を対象とした「商用車ナビ」で、運行管理者が送信した運行指示書から、自動でナビにルートと行き先を反映する機能をもつ。停車してのナビ操作が不要で、スムーズに目的地へ案内できるため、CO2排出量を抑えた効率運行が可能となる。

 また、「動画ドラレコ」では、運行車両に装着したカメラ(最大6基)のデジタル映像を、事業所からリアルタイムで取得・再生が可能である。これを効果的な安全運転教育に活用することもできる。

 運転日報の自動作成機能では、ユーザーのニーズに合った帳票レイアウトが作成可能となり、その組み合わせは約10万通りになるという。自動印刷も可能である。

 2024年4月からスタートするドライバー労働時間規制に対しては、労務管理帳票の管理・集計の自動化機能を実装、労務管理の効率化をサポートする。

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