SAEレベル2相当の高度運転支援機能をオプション設定したギガ。同機能では車線をはみだしそうになるとレーキープアシスト(LKA)が作動する
2021年モデルから「ドライバー異常時対応システム(EDSS)」もオプション設定された。運転手が意識を失ったなどの緊急時には車両を自動停止させ、周囲に警報を発す
EDSSは運転席側ピラーのドライバーステータスモニタ用カメラを利用し、ドライバーの異常を判断する
EDSS作動時のインフォメーションディスプレイ
EDSSの作動/キャンセルスイッチ。同機能はドライバー自身の判断でも作動することができる
ギガの運転席周り。LKAを搭載した最新型はステアリングに介入するため、油圧+モーターのステアリングギアボックスが採用されている。取り回しも軽くなった
ヨーロッパ車並みの潤沢な収納を備えるギガのハイルーフ車は寝台から立ち上がられるほど高い
一部車型に標準設定されたドイツ、イスリングハウゼン製の高機能エアサスシート
LKAのスイッチ。クルコンと独立させて使うことも可能だ
LKAの車線検知にも使われるフロントウインドウのカメラ
最新型はLEDヘッドライトも可変配光型にグレードアップ。ヘッドライトの上のコーナーパネルの黒い部分はブラインドスポットモニター(BSM)のミリ波レーダー
歩行者や自転車の巻き込み防止警報を行なうBSMの車体側面のミリ波レーダー
UDアクティブステアリングを搭載したクオン。同機能は一秒間に2000回というステアリング支援(補正)を行なうもの。低速時にはステアリングを指一本で動かせるほど軽いが、高速時には直進安定性をもたらすため重くなるようになっている
UDAS搭載車は凸凹道を走行しても車体は揺れるがハンドルを取られることはない。このほか横風に対する補正やトラックでは起こりにくいステアリングの復元力(センタリング機能)を再現している
UDASの油圧+モーターのギアボックス。ボルボのVDSにも同じギアボックスが搭載されている
クオンのAMT「ESCOT−Ⅵ」のシフトレバー。ESCOT−Ⅵはシームレスな変速を実現する優秀なトランスミッションだが、いすゞ・UDの大型車併合の際はどうなる!?
最新の2021年モデルフォワードは歩行者対応のプリクラッシュブレーキ、交差点警報などの安全装備の拡充とともに、LEDヘッドライトなどが標準搭載となった
ハイルーフ仕様のフォワード。ギガの潤沢な収納が魅力のハイルーフ車のコンセプトは、新型フォワードにも継承された
交差点警報用レーダー(灰色のコーナー部)、LEDヘッドランプ/L字型クリアランスランプを備えたフォワード
左右のピラー中央に配置された交差点警報用のランプ
フォワードのインパネはエルフと基本共通。いっぽうでステアリングはギガと共通でステアリングスイッチも備わる
フォワードのメータークラスター
フォワードのMT車に設定されているスタートアシストボタン。ボタンを押しておけばアイドル回転が上がり、トルクの余裕を感じながらスムーズに走り出せる機能
新型フォワードはシートのデザインが変わり、室内はハイコントラストな配色に
最新の21年モデルのエルフ。交差点右左折時や出会い頭の事故を抑制する交差点警報を採用するとともに、ステレオカメラを用いた緊急ブレーキのプリクラッシュブレーキを全車に標準装備化
交差点警報のミリ波レーダーを搭載したヘッドライト部はフォワードと共通(一部車型を除く)で、フォグライトもLED化された
エルフの交差点警報のランプ
交差点警報の設定画面。煩わしい場合はオフにもできる
左右のカメラがとらえた画像のズレから奥行きを判断するエルフのPCS用ステレオカメラ。同じPCSでもギガ・フォワードとは異なる検知方式となっている
いすゞは「いすゞ環境長期ビジョン2050」を掲げ、天然ガスやカーボンニュートラル燃料を活用する高性能内燃機関車も開発しながら2050年までに全ての事業で脱炭素の実現を目指す
2021年10月より発売したギガLNG(液化天然ガス)。同車はディーゼル車と比較して都市間輸送時のCO2排出量を約10%削減するとしている
LNG(LiquefiedNaturalGas=液化天然ガス)は、天然ガスを-162℃以下で冷却して液化させたもの。化石燃料の中で発生するCO2排出量が最も少ないクリーンなエネルギーと言われている。なお、2021年7月よりギガCNG(天然ガス)も発売している
ホイールベース間に配置されたLNGタンク。左右合計696リットルのLNGタンクが搭載される。LNG満タンでの航続距離は1000km超で、充填時間も軽油の給油時間と同等。なおエンジンはCNG車と同じ6UV1-TCN型である
ギガLNGはリアオーバーハング部に標準仕様で左右合計300リットルのCNGタンクを搭載。CNGの方が充填拠点が多いためサブとして併用が可能となっている
ギガLNGの内装は基本的にディーゼル車と同じだが、LNG/CNGの切り替えスイッチが備る
2020年よりホンダと共同研究が進められているギガFCV。ギガの8×4をベースにクラリティFCパワーユニットを搭載。目標航続距離は600kmとしている
ホンダ新開発の耐久性を高めたFCユニット。次期クラリティFCに搭載されるといわれているが、ギガFCVに搭載されるかどうかは今のところ不明
いすゞは2019年に世界最大規模のエンジンメーカー、米国のカミンズと「イスズ・カミンズ・パワートレイン・パートナーシップ(ICPP)」締結。この契約に基づき、中型車のエンジン供給を受けるほか、電動化を含む先進技術分野の共同研究でも合意し、現在中型BEVトラックの共同開発を行なっている。写真はそのプロトタイプになる
ジャパントラックショー2022で初公開されたエルフEV(モニター車)。写真はコンビニ配送用のモニター車だが、2019年より宅配車、塵芥車など13台のモニター車を稼働させ実用化に向けたデータ収集を行なった
39.5kWhのバッテリーパックを2基搭載(計79kWh)したエルフEVのモニター車は航続可能距離100km。減速機は搭載せずモーターをプロペラシャフトに直結し後輪を駆動させるダイレクトドライブ方式となっている
いすゞと西日本鉄道、三菱商事が福岡空港で行なっている自動運転の共同実証実験車両。大型路線バス「エルガ」をベースに、計8つのLiDAR(レーザーセンサー)、望遠・広角カメラ、ミリ波レーダー、ジャイロセンサー、GNSSを搭載する
ホクレン中斜里製糖工場で行なわれたUDの自動運転の実証実験。安全のためドライバーが乗っているが基本的に運転操作はノータッチ。最高時速は20km/hに設定された
この実証実験では一度走行した経路を記憶させ、自律走行でその経路をトレースするという内容で行なわれた
北海道の製糖工場では本来ダンプなどを使いビート(テンサイ)を運搬するが、この実験ではあくまで自律走行がメインでダンプ風の平ボディが使用された
車両中央に配置されているが3D-LiDERで左右のコーナー部の2つは2D-LiDER
リアの左右にも2D-LiDERを2つ搭載しているが、この実証実験ではLiDERの出番はほとんどなかったという
エアディフレクターに搭載されたRTK‐GNSS(RTK=リアルタイムキネマティックの意味でGNSSの位置情報を地上波を使って正確に補正する技術)のアンテナ。実証実験ではこのRTK技術を活用した自律走行がメインとなった
現状では、インフラや法的整備の面からいっても、SAEレベル4を一般道路で展開するのはむずかしい。業態や場所を限定した反復輸送であれば比較的実現しやすく、UDではひとまず「限定領域」でのレベル4を目指すとしている