特装車ほど時代を雄弁に物語るクルマはない。「矢野特殊自動車」物語
日本では、トラックの文化的価値や歴史的価値がなかなか理解されない現実があります。まして「上物(うわもの)」とひと括りにされるさまざまな架装物は、寿命がくればほとんどが「使い捨て」で、今では資料さえ残っていないクルマが大半です。
日本に現存する最古の国産自動車「アロー号」をつくった矢野特殊自動車の創業者・矢野倖一のクルマづくりは、太平洋戦争の戦前・戦後の、日本にとって最も大切な時代にますます磨きがかかり、時代や地域の切実なニーズに応え、具体的な恩恵をもたらします。矢野式消防ポンプ車、アスファルト乳剤製造散布車、鉱石運搬用15トン積キャタピラ式ダンプトレーラ、オート三輪ダンプ、油圧延長支柱電気工事車、電柱建柱車、架線工事車、穴掘り自動車、後扉荷役リフトトラックなどなど、切実なニーズを背景に生みだされた創意工夫に満ちた特装車を見ると、月並みな言葉ですが「昔の人は偉かった!」と頭が下がるばかりです。矢野特殊自動車に残された貴重な資料をもとに日本の特装車の足跡をたどる「矢野特殊自動車」物語第二部……、特装車ほど時代を雄弁に物語るクルマはありません。
コメント
コメントの使い方