タイヤ屋ハマダユキオの「車輪の下」 No.85

2013年5月10日 / 寄稿・連載コメントする

トラックアライメント　低床4軸フロント偏摩耗の謎

UDトラックス　CG2ZA
装着タイヤサイズ・・・245/70R19.5
測定時走行距離・・・348779Km

▲UDトラックスの低床4軸。フロント4本の片減りによる測定依頼。

では、まずはタイヤをチェキしますかねぇ～！

▲まずは右1軸目から。装着タイヤはY社スタッドレスSY397。マーキング部分が外側の減っている部分。

▲続いて右2軸目。1軸目と同じような減り方。

▲この画像は左の1軸目。なんと内減りしていますね。TOE　OUTなのでしょうか？？

▲こちらは左の2軸目。定番ともいえる（？）減り方。ただ・・他のタイヤの摩耗度と変わらない感じです。・・・・んん～～これは・・・・？？？

▲1軸目の測定データ。ハンドルもほぼセンターでこの値・・・。んん～・・・TOTAL　TOEもマトモですね～・・・・。

▲期待（？）の2軸目。んんん～～TOTAL　TOE・・マトモな数値です。ただ・・1軸目はまっすぐな時に2軸目は左へ向いております。それほど大きな狂いでは無いのですが、決して無視できない数値でもあります。ここは調整します。TOTAL　TOEの0.4ｍｍも悪くは無いのですが、ここはせっかくですのでベストな値まで調整しましょうかね・・・。

▲調整はキャビンを開けて調整します。　　んで、UDのクオンちゃんの場合、左の1～2軸の間にある矢印の部分に切り替えレバーとボタンがございます。

▲箱の蓋をぱかっ！って開けるとアチラの世界（？）にいけるスイッチ類が見えます（笑）。黄色い矢印が切り替えレバー、赤い矢印がボタンです。
日野同様、探すのに苦労いたしました・・・。

▲警告音が鳴り止むまでボタンを押しキャブを開けますが・・・他メーカーと同じような角度だと思うのですが・・・クオンさんはなんか角度がきついように思えます。正直キャブが外れてゴロン！！ってなるかとヒヤヒヤしましたよ（笑）外れることは無いんですがね。

▲新しいクルマですが、思ったよりネジやロッドがガッチガチ！！　でもキャブ全開で楽々調整～！

▲2軸目の調整後測定データ。数回の微調整→測定で画像の数値に。TOTAL　TOEも0.4ｍｍからマイナス（ネガ）の0.7ｍｍまで調整。2軸目のTOTAL　TOEはちょいOUTに調整する方が調子は良いようですよ。

▲リア3軸、4軸の測定データ。ほぼまっすぐで問題無しでやんした。

じゃぁ・・・なんで片減り・・・しかも左の1軸目だけ内減りなんでしょう・・・。

エア圧を測定してみました。12本。

・・・とその前に装着パターンは・・・
1軸、2軸・・・・偏摩耗したY社　SY397
3軸目・・・・均等減りしたY社　SY397（4～5部山）
4軸目・・・・BS製　M890リトレッド（9.5部山）
でして

エア圧は・・・
3軸目・・・・780～800Kpa
4軸目・・・・900Kpa

そこで・・・1軸目、2軸目なんですが・・・外減りしてるタイヤは780～800Kpa。内減りしている左1軸目のみ950Kpa。

んん？？？・・・でしょ？

推測なんですがね・・・

1～3軸目までのY社スタッドレスはセリアルナンバーが2011年製なんですね。たぶんだけど2シーズン走ったのでしょう・・・去年の秋くらいに装着。そのまま・・・って感じだと思うんです。じゃぁ・・なんで内減りの1本だけ950Kpaも入っていたかといえば・・・たぶんPUNKしたんでしょうね。で、Y社さんがせっかくなんで裏組みをしたんじゃ・・ないかと。その証拠にこのタイヤだけセリアルナンバーが裏にありましたからね。Y社さんの作業でこのサイズのエア圧950Kpa入れるのであれば約150Kpaくらい低下しているんですよ。他3本は。・・・て～～ことはちょっと・・・・乗りすぎ？？？ノーローテーション、ノーエアチェキなんでしょうねぇ・・。
スタッドレスなのとローテーション不足で4本とも外減り・・・TOEの値よりキャンバーからくるもの（基準値です）。偶然か2軸目が左向きだったので右の2軸目も外減りしたのかも知れません。

1シーズン・・・一回で良いので（一概には言えませんよっ！）ローテーションいたしませう～！

▲本日はホームでの作業でしたがPITがバタバタしておりまして裏の駐車場でのアウェーな感じの作業でやんした・・・・・さぁ片付ける