昨日は、「フルロード」第7号の取材で東京・芝のスカニアジャパン㈱にお邪魔し、この7月1日に同社の代表取締役社長に就任したばかりのヨハン・ルンデン氏にインタビューしてきました。
7月1日にスカニアジャパンの代表取締役社長に就任したヨハン・ルンデン氏(副社長から昇格)。1975年生まれとお若いです
スカニアトラックは、今でも日野自動車で販売していると思っている人もいるかも知れませんが、1年前に業務提携を解消し、すでに販売を終了しています。スカニアジャパンは、スウェーデンのスカニア本社の日本法人ですから、よりダイレクトに日本のユーザーにスカニアトラックを提供しようというもので、これから事業活動を本格化させます。
日本市場におけるヨーロッパ車といえば、メルセデスやボルボという先達がいる(いた)わけですが、スカニアは、彼らとはちょっと異なるアプローチを取るようです。すなわち、まず徹底的にユーザーのニーズを検証し、トラクタや単車(リジッドトラック)にかかわらず、エンジンやホイールベース、軸数、キャブやミッションに至るまで、すべてニーズに一番適した組み合わせで最適なトラックを提供するといいます。確かに国産トラックでは対応しきれていないニーズの「穴」は、ニッチなマーケットかも知れませんが、確実に存在しますし、より切実なニーズということもできるので、これに対応するスカニアジャパンのオーダーメード的なやり方は、なかなか興味深い手法だと思います。
スカニアジャパンでは、トラックのみならず、バスや産業用エンジンなどの投入も視野に入れている
その他、もちろんスカニアトラックのセールスポイントやアフターサービス網などネットワークの構築についてもいろいろお聞きしましたが、それは「フルロード第7号を読んで頂戴ね!」ということでひとまず置いといて(笑)、キャップ的に一番興味深かったのが、やはりヨーロッパ車の車づくりの考え方でした。
ご存知のようにヨーロッパには、世界有数のトラックメーカーがひしめいており、日夜しのぎを削っているわけですが、それでも、どのメーカーも伝統的に似通った車をつくらないという目に見えない掟のようなものがあります。対する日本は、今でこそお家の事情で、好むと好まざるとにかかわらずエンジンなど各社の差別化が進んでいますが、基本的に4社似通った車づくりをしてきたという背景があります。だから「日本のトラックは、どのメーカーの車を買っても同じようなもの」なんて揶揄もされてきたわけですが、ユーザーのニーズに真摯に応えていくと、どうしても同じような車になってしまうということはあるでしょうし、「他社にあるのに、我が社にないのは困る」という販売サイドからの突き上げもあったでしょう。だから、それが悪いと言っているわけではないのですが、同じように狭い地域の中でメーカーがひしめいているという状況の中で、車づくりの方向性が全く違うというのは、日欧の文化の違いを表わしているようで非常に興味深いと思います。
ヨハン社長によれば、「スウェーデンには、ボルボという良きライバルがいて、お互い切磋琢磨して良いトラックをつくろうとしのぎを削っているし、ヨーロッパ全体で見れば、さらに多くのライバルがいます。しかし、どこのメーカーも、自社の独自性というものを非常に大事にしているので、似通った車にはならないんだと思います」とのこと。
ご存知のように、スカニアはVWグループに属し、VW自体も大型トラックのブランドを有しているし、МANもVWグループなんですが、日本なら即座に「それならエンジンをはじめ部品の共用化をしよう」ということになると思うんですが、ヨハン社長によれば、今のところ排ガス対策技術を含め、そういった話は出ていないとのこと。頑固で保守的と言ってしまえばそれまでですが、狭いからどうしても車が似通ってしまうのか、狭いからこそそれぞれが独自性を発揮しようとするのか、ちょっと考えさせられる話ではないでしょうか。
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