復興の地へ その4

復興の地へ その4

廃棄物処理・静脈物流を担う

宮城県名取市で産業廃棄物処理業を営んでいる貴礼(きれい)組の荒利治社長を訪ねました。最寄り駅まで迎えに来てくれるというので、仙台空港アクセス線の美田園駅で待っていると、勇ましい排気音を響かせて、何とボンネットトラックがやって来ました。いすゞTW全輪駆動トラックです。聞けば、荒社長が半ばコレクションとして保有していたクルマだそうですが、震災復興の廃棄物処理では、ボンネットタイプ、全輪駆動、それに小回りの効く比較的小さな特性を活かしてフル稼働、今も復興の力強い戦力となっています。

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東日本大震災が発生した時、荒社長は修理に出すトラックに乗って近くの三菱ふそうのディーラーに向かっていたそうですが、トラックが横転するのではないかという揺れで、ハンドルにしがみついているのが精一杯。揺れが収まったところでディーラーのヤードにトラックを乗り入れ、ラジオで情報を収集していたのですが、津波が来ると聞いて、ラジオのボリュームを最大限に上げ、ディーラーの人たちにも「津波が来るぞ! みんな逃げろ!」と怒鳴って避難を促したと言います。自分も小学生の娘さんのことを案じ、自宅へ向かったそうですが、幸い家族も社員も全員無事が確認できました。しかし、近くの仙台空港が津波に襲われ、会社も滅茶苦茶な状態になり、「ああ、これですべて終わったな」と観念したそうです。しばらく呆けたような状態で過ごしていましたが、数日して会社の様子を見に戻ると、未だ泥水が引かない中、すでに周りの会社では後片付けが始まっていたそうで、「ああ、オレもこうしちゃいられない!」。事務所は滅茶苦茶でしたが、商売道具のトラックは潮水を被って電気系統はやられていたものの、メカに強い荒社長の本領を発揮。乗用車はすべて廃車になったけれど、トラック10数台は全部復活を果たし、従業員にも戻ってもらって、それからは、仙台空港の瓦礫処理など不眠不休で復旧に尽力しました。
「働くことで元気を取り戻せたんです。被災地には、働く意欲を失ったままの人がまだ大勢います。その人たちに見舞金や補償金を支払ったら、それで済みじゃない。国が復興のための大プロジェクトを組んで、被災した人たちに仕事の道筋をつけてほしい、お金なんか遣ってしまえばそれで終わり。働くことで活性化するし、目標を持つことで希望が生まれるんです」。

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