〇〇時間ぶっ続け労働に、豚の〇〇まみれ!! 女性トラックドライバーが語る忘れがた〜い地獄の運行

今までで一番キツかった仕事

 最後に一番忘れられない仕事。荷物が無くて会社で待機していて、夕方に「もう明日何か積もう」ってなって帰ろうとしていたら、付き合いがある会社が「クルマが鳥取で事故を起こして自走できんくなったけ、荷物を積み替えて代わりに降ろしに行ってもらえんか」って言ってきたんです。

 もう16時も過ぎていたし、家に帰る気満々やったし、会社も断っていいよって言っていたんで断ったんですが、「なんとか行ってもらえんやろうか?」って再度お願いしてきて、見事に餌食になってしまいました。

 全部高速乗って行っても、鳥取のディーラーに着いたらもう夜で、真っ暗のシーンとした中に事故した運転手が待っていました。

 荷物は製材で、束がバラけている物もありました。次の日の福井と金沢の2カ所降ろし、リフトは今にもエンストしそうなボロいやつ。

 事故した運転手と2人で積み替えたのですが、自分は製材なんか積んだことないし、長さも何種類かあるし、積みつける順番も考えないといけなくて、なかなか上手いこと積めません。何回も何回もやり直しながら、2人ともクタクタになりながら、なんとか荷台に収まりました。

 荷締めしてウイングを閉めて、って「アレ? おかしい(汗)。ウイングが閉まらない」。ウイングを開けてみると、製材の束の間に挟んである小さい板がウイングにあたって閉まらないんです。

 もうやり直す気力も体力も残ってなくて、「ノコギリでもあれば切ったるんやけどなぁ」って言ったら、もう一人が「ノコギリあるかもしれん!」って言って工具セットを持ってきました。

 なんとその中に折り畳み式の小さなノコギリがあったんです!! その小さなノコギリで飛び出た部分をギコギコ切ります。「切れたー!」「やったー!!」2人で大喜びでした(笑)。

荷締めしてウイング閉めて……、アレ、閉まらない! かくなる上はノコギリで……
荷締めしてウイング閉めて……、アレ、閉まらない! かくなる上はノコギリで……

 時刻はすでに夜中の0時を過ぎていて、そそくさと福井に向けて出発し、一睡もせず走って、着いたらもう朝でした。福井、金沢と無事に降ろし、帰り荷は富山県の黒部から翌着の八代。物はサッシのケースに入った長物でホームに着けてケツからバラ積み。

 この時点で少なくとも30時間以上起きています。積み上がっても、ここからまた1100km超えの距離を走って帰るという過酷な仕事が待っています。

 黒部で少し待たされ、辺りが薄暗くなった頃、八代に向けて出発しました。もう疲れたとかそんな次元はとっくに通り越して完全に魂が抜けていました(笑)。

 道中のことはあまり覚えてないですが、とにかくキツかったです。途中で合わせて1時間くらい寝たんやったかな? 目と手と足だけで魂無いままかろうじて走って、着いたのが昼の12時だったと思います。

 昼一着だったので、なんとかいい感じに到着することができ、「コレ降ろしたら寝れる。頑張れ私!」って自分で自分を励ましながらヘロヘロな身体で降ろしました。本当にキツかったです。

 その日はもう空車で終わりだったので速攻「道の駅」に行って寝ました。この仕事が一番キツかったので忘れられないです。よく頑張った私(笑)。他にもまだまだたくさんありますが、インパクト強めな思い出でした。

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