見た目の判断がむずかしいゴムの硬化
また性能低下の観点ではゴムの硬化もあります。
溝の深さは雪道での駆動力確保ですが、特に氷雪系スタッドレスは凍結路面での路面とタイヤとの間の水膜除去と凸凹の路面への密着度が肝となります。
まずは水膜除去ですが、凍結路でタイヤがスリップするメカニズムは、タイヤと氷の間に水の幕ができ、わかりやすく言えば路面に対してタイヤが浮いているから……。
これを各タイヤメーカー様が知恵を絞り、現代の最高の製造技術で作り上げたのがスタッドレスタイヤの特殊なゴムだったり、独特のパターン(模様)だったりするワケです。
で、この水膜除去するスタッドレスのトレッド部分のゴムも、路面に接地する部分は最大に接触させて路面とのコンタクトを取りたいもの。
そこで必要なのはゴムの柔らかさです。
タイヤは荷重を受け走行を始めた瞬間から、わずかずつですが劣化が進行していきます。
1シーズンくらいでは酷く劣化することはあまり考えられませんが、2、3シーズンを超えた辺りから劣化による硬化が進行してきます。
硬化が進行すると路面に対するタイヤの密着度が下がり、水膜を除去してタイヤが路面と密着している面積も減りますから、氷上性能も低下します。
このゴムの硬化は基準となるインジケーターがあるわけではなく、見た目での判断材料等も無いに等しいので、ここもやはり残溝50%での冬タイヤとしての使用限度とした方が冬タイヤの性能としての観点から履き潰しをお勧めします。
性能重視のスタッドレスタイヤ。一番効いて欲しい時期に冬タイヤとしての性能を充分に発揮できるように上手に履き替え、履き潰しをして安全運行を!
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