追想記（並走車10）
大型トラックに乗務の皆さん。自分の平均速度を計算したことがあるでしょうか。現在、90km/hで走っているドライバーの方で、東京～大阪間をどれくらいで走り抜けますか？
私が４ｔ車に乗務していた時は、90km/hでは７km/hを引いた計算でした。もし、ノンストップで走れば大よそその計算で間に合います。でも、実際には途中で食事とトイレの休憩が入るので、その時間を差し引かなければなりません。さて、追っかけのようにほぼノンストップの方々、実際に走れる時間を思い出してください。もちろん、東名と中央道は違います。軽い荷物の場合だと、絶対に中央道が早いのは言うまでもありません。実際に走る距離は、幾分中央道が長いですが、そんなに変わりません。起伏も圧倒的に中央道が多いですが、軽い荷物の場合だとそんなに苦にならないはずです。
スピードが落ちる要因にはさまざまあります。その一つが峠の坂道でしょう。東名の長い所では、御殿場と牧の原があります。また、小さな起伏も一々書くのが面倒なくらいあります。ですが、スピード低下の原因の一番は、交通量の多さだと思います。
そうなのです。順調に90km/hで走れることがなく、すぐに前を走っているトラック乗用車に追いついてしまう。その度にスピードが下がり、しばらくの間追走しなければならない。その時間のロスは結構大きいのです。その事を、今一度考えてください。80km/hで東京ゲート～大阪空吹田の約500kmを走った場合、どれくらいの所要時間でしょうか。計算上では、500÷80＝6.25です。時間に直すと、６時間15分になります。
では、90km/hだとどうなるか計算してみましょう。500÷90＝5.555・・・となります。時間に直すと、５時間３０分余りです。
つまり、時速80kmと90kmでは45分の差が生じるはずなのです。だが、実際にはどうでしょうか。経験で思い出してみてください。そして、以前、100km/hや120km/hで走った経験のある方、それを思い出してください。実際に80km/hで走るトラック、乗用車が多い今日、どれくらいの平均スピードが出せていますか？ 次回に持ち越します。
トラさんのブログ「長距離運転手の叫びと嘆き」
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