インターナショナル・トラック・オブ・ザ・イヤー2027にボルボの新世代バッテリーEV大型トラックが選出された。単一モデルだけでなく、電動ポートフォリオ全体を発展させたことなどが評価された。
いっぽうトラック・イノベーション・アワード2027はZFの「トラクソン・ハイブリッド」で、実用性と革新性を両立する大型車のハイブリッド技術が再評価されている。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部
写真/AB Volvo・The International Truck of the Year・ZF Friedrichshafen AG
IToY2027にボルボの電動トラックレンジ
インターナショナル・トラック・オブ・ザ・イヤー(IToY)の審査員は、今年のIToY2027にボルボの電動トラックレンジを選出した。モデルとしては「FH」「FM」「FMX」「FHエアロ」それぞれのバッテリーEV(BEV)バージョンで、ボルボの新世代BEVトラックとして航続距離を延長したほか架装や用途を拡大、エネルギー効率と運行における柔軟性を向上したトラックである。
ドイツで開催されたIAAトランスポーテーション2026において、ボルボ・トラックス社長のロジャー・アルム氏にトロフィーが手渡された。
今年のIToYで最終選考に残ったのは他に、フォード・トラックスの新型「Fマックス」、イヴェコの「S-eウェイ」トラクタ系、MANの「eTGM」中型BEVトラック、メルセデス・ベンツの新型「eアクトロス400」の5モデルだった。
IToYは過去12か月間に登場した新型トラックの中で、輸送の効率化に最も貢献した車両に贈られる賞で、選考基準は技術とイノベーション、快適性、安全性、ドライバビリティ、エネルギー効率、環境パフォーマンス、総保有コスト(TCO)など多岐にわたり、総合的な評価が行なわれる。
その選考は自動車の試験・検査・認証における世界最大の独立系検査機関のDEKRAが監督する厳正なもので、受賞車はまさに「世界最高のトラック」と言えるだろう。
このところBEVトラックの受賞が続いており、今回で4年連続となる。大型車のゼロ排出化の進展を反映しており、ファイナリストとなった5モデルのうち、4つがBEVだった。いっぽうでフォード「Fマックス」が最終選考まで残ったことは、内燃機関の開発と改善が今も続いていることを示している。
ボルボの最新型のBEVトラックレンジは、大型トラックにおける同社の進化を象徴している。地場輸送、建設現場から長距離輸送まで様々な用途をカバーし、新しい電動パワートレーンや幅広いアクスル構成は、BEVトラックによる代替が可能な領域を大きく拡大した。
とりわけ、FHエアロ・エレクトリックの航続距離は700kmに達し、BEVトラックによる長距離輸送に新たな可能性を切り拓いた。また、FH、FM、FMXの次世代電動バージョンは、より汎用の構成として最大470kmの航続距離を実現し、いろいろな業務・稼働サイクルを運送事業者に提供する柔軟なプラットフォームとなっている。
審査員が高く評価したのはボルボの開発手法で、単一の車両や用途を強化することにとどまらず、電気自動車のポートフォリオ全体を発展させたこと。航続距離の延長、多様なキャブやシャシー構成の提供、長距離・地場・集配送・建設など用途に応じて組み合わせ可能なソリューションなど、電気駆動技術は大型車においてよりいっそう実用的な手段となった。
IToYの審査委員長を務めるフロリアン・エンゲル氏は「ボルボは新世代の電動レンジによって、BEV大型トラックによる輸送が、個々に導入される散発的な用途から、包括的な輸送ソリューションへと急速に移行していることを示しました」と総括している。
ボルボ・トラックスにとってもIToY2027の受賞は重要な節目となる。IToY2024もボルボのBEVトラックが受賞しているが、再び同社が頂点に返り咲き、トラック電動化のリーダーとしての地位を確固たるものにした。


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