トラックドライバーの誇り その32
私が実際に体験したというよりも、常態化していることを紹介しましょう。ドライバーが荷物を降ろし終り連絡を入れると、必ずといってよいほど、配車係が聞いてきます。もちろん仕事がある時の話です。
「○○行きのこんな荷物があるけど、体調の方は大丈夫か?」
つまり、これは帰ってきたばかりのドライバーに、次の仕事で走ってほしい時のことです。よく考えてほしいのは、このようなことを聞く場合は、連チャンで走ることを意味しているのです。運行管理者や配車係、そして、ドライバーには説明する必要ないことですが、一般の方には説明しなければ分かりません。
私の場合、一時期、自分から望んで欲と道連れに走っていましたが、本来は、長距離明けの日は休むのが常道です。もしくは、近場の仕事に回すのが普通でしょう。これは当然のことながら、貨物自動車運送事業法3条の4で決められていることです。休憩、休息は必須のことなのです。
それをしないからこそ、朦朧運転が日常的に起きているということになるのです。もう一度聞きます。なぜドライバーに聞くのですか?
ドライバーは、きちんと断れる者もいますが、断れないドライバーもいます。それはあなた方が一番知っているはずです。
無理が利く運転手と利かない運転手と、色分けしていませんか?
聞かれたドライバーの気持ちを、あなた方は知っていますか? そのことを考えたことがありますか?
ドライバーによっては、自分を頼りにしていると勘違いする者もいます。また、無理を言うくらいだから大事な仕事なのだろうと考える経験の浅いドライバー、そしてお人好しの者もいます。もちろん一番多いのは、欲の皮を突っ張らせて走るドライバーでしょう。次に多いのが、妙なプライド意識です。「俺は少々の無理は利くだけの体力と自信があるんだ」と、言っているドライバーは数多くいました。もちろん、断ると次の仕事に影響しないかと、弱気に考えるドライバーもいます。当然、配車係の言うことを聞いて、心証を良くしようというドライバーもいます。
よく考えてください。上記に挙げたそのような者達が朦朧運転をしているのです。あなた方にとって、都合の良いドライバーを危険な目に遭わせ、他の人までを巻き込もうとしているのです。
トラさんのブログ「長距離運転手の叫びと嘆き」
http://www.geocities.jp/boketora_1119/
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