元ベテラン運転手 トラさんの「泣いてたまるか」 No.22

元ベテラン運転手 トラさんの「泣いてたまるか」 No.22
トラックドライバーの誇り その20
2例目は、時間による給料なのだが、ドライバーの方で想像できる方はいるだろうか? 「何の時間だ?」と質問がきそうである。
これは、走った時間。といえば、その目的はピンとくるはずだ。そう、高速代の節約だけを目的として給料の決め方である。
私が関東方面のこの会社のドライバーから話を聞いた時は、これも古い話で、高速料金に深夜割引や通勤割引がなかった時代のことだ。
その時のドライバーのボヤくことボヤくこと……
「新人が道に迷って遠回りして、そいつが俺より給料がいいんだ!」
まあ、その時間制の給料を聞いた時だけでもびっくり仰天だったのだが、ベテランの経験が活かされない給料というのにも驚いてしまった。
だが、これには面白い話がついていた。
「俺たちは、下道を走って、それも制限速度でしか走らない。スピードを出すほど給料が下がるから」
その時は何気なく聞いていたのだが、後になって思ったのは、速度制限という意味では、安全運転の励行になっているということだ。
だが、これも運転手に仮眠や休憩時間を奪い取るという意味では、1例目と大差はない。なぜなら、そのドライバー曰く
「会社は、俺たちを眠らせないようにしているんだ」
この2例で浮かび上がるのは、運転手から仮眠や休憩を奪い取ってでも、収益を上げようという会社のおぞましさである。そして、それは今の多くの会社の現状があるのではないかと考える。
規制緩和以降のダンピングによる運賃の低下。それによるドライバーの労働条件の悪化。いずれ、ドライバーのワーキングプアの時代が来ないかと心配したくなる。
多くの会社は、本給+歩合だと思う。でも、総体的に給料は下がっているし、会社も出せない現実がある。そして、より厳しい労働環境がドライバーを苦しめている。その中での事故率の低下は何故なのか? これも、次回以降、社則の中で考えていきたい。
トラさんのブログ「長距離運転手の叫びと嘆き」
http://www.geocities.jp/boketora_1119/
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