海コントレーラの横転事故に思う その3
事故がなぜ起きたのか? 第二の要因として考えられるのがヘッドの性能ではないかと思います。
運転手の経験値に差があるのに対して、最近は、トラクタヘッドの性能が著しく向上しているため、経験が無い人でも手軽に運転できるような設計になっています。特にエアサスペンションはその最たるモノで、とにかくコーナー走行時のロール限界が高いため、全体的にコーナリング速度が上がっている点があげられると思います。
しかしそれはヘッドだけで、ヘッドに対してシャーシは未だに大半がリーフサスペンションなんです。ヘッドとの性能差が著しい上に、ヘッドは排ガス規制の関係もあって代替をしますが、シャーシは規制が無いため、大体40年くらいは使っているんです。致命的な損傷が無ければ使い続けるので、最新型のヘッドが昭和40年代のシャーシを牽引することもざらにあり、そのあたりでも非常に性能バランスが悪い車になっていると言えると思います。
ひと昔前、リーフサスペンションが主流だった頃は、エアサスペンションのヘッドは会社でもベテランが乗って、新人は10年落ちのリーフサス車に乗って仕事をしたものでした。リーフサス車は、当然重いコンテナを積めばショックアブソーバが底突きするまで車高が下がり、姿勢を制御することがむずかしい状態で走行しなければなりません。そのため、運転は慎重になり、必然的に速度を抑える運転が身についたものなんです。それに反してエアサス車は、重いコンテナを載せられても車高センサーが車高を戻してしまうので、ロールにも余裕が生まれ、運転手はあまり挙動変化が無いと感じてしまうんですね。結果として速度が上がり気味になり、それが結果的に横転に繋がるわけです。(つづく)
コメント
コメントの使い方