第3回 サラリーマンよ サヨウナラ
実を言うと、僕自身、自分が運転手をやることになろうとは思ってもいなかった。大学を卒業して、最初に就職したのは広告関係の会社だった。広告という響きに憧れたからだが、聞くと見るとは大違い。想像していたのとは違い、仕事は実につまらないものだった。忙しいのは覚悟していたから構わないが、やっている仕事のつまらなさ、空しさは想像を絶するものがあった。結局4月に新卒として入社し、冬のボーナスをもらって退職した。言い訳がましくなるが、成績は決して悪くなかったと思う。同期入社の中で4月、5月、6月の営業成績はトップで、なかなか優秀な社員だったのではないかと思っている。とにかくはっきりしているのは、サラリーマン生活が体質に合わなかったということだ。運転手になってみて、いろんな奴と話をしたが、運転手になった理由として『自分にはサラリーマンの仕事が合ってない』という奴がたくさんいた。(山高一浩)