富士運輸、ジョロダー社の新たなパレットローダー「ハイドローダー」製品説明会を開催
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レポート
いち早く導入した新型日野プロフィア、三菱ふそう新型スーパーグレートも登場!
日本のトラックの進化は、これからはユーザー主導で進められるのではないか……、そんなことを強く感じさせる催しがこのほど奈良県で開かれた。先進的なトラックユーザーとして知られる富士運輸(本社・奈良市)は6月16日、同社の奈良支店駐車場において「ハイドローダー説明会」なるイベントを開催。同業の運送事業者や荷主、メーカー、ディーラー、メディアなど多数の関係者を集めて、ハイドローダーをはじめ同社が導入した最新鋭のトラックを公開した。
まずメインとなる「ハイドローダー」はイギリス・ジョロダー社の製品で、荷台上荷役装置の代名詞的存在である「ジョロダー」をさらに使いやすくしたパレットローダーである。ジョロダーは、荷台の床に敷設されたジョロダーレールにパレットを載せ、底にローラーが付いたジョロダーをレールに沿ってパレットの下に挿入。起こし棒を使ってテコの原理でパレットをリフトし、ジョロダーのローラーでパレット上の荷物を移動させるものだ。この手動式のジョロダーに対してハイドローダーは、あらかじめレール側に敷設されたローラーを空気圧によって自動的に上げ下げし、パレット上の荷物を軽々と移動させるもの。ハイドローダーの作動は車両のリヤ荷台下に設けられたコントローラーによって行なう。
同社の車両部長である瀬野博之氏がハノーバーのIAAをはじめヨーロッパを視察に行った際、「これはいい!」と惚れ込んだそうで、ジョロダー社に知己を得て、このほど日本市場に適した仕様を開発。同社の大型ウイング車に取り付け、説明会を開催した由。
瀬野部長は、「ヨーロッパでは、フェデックスやDHLなど多くの物流業者がハイドローダーを採用しており、今まで日本に入ってこなかったのが逆に不思議なくらいです。取り付けも簡単で、慣れれば4時間くらいで施工できますから、いわゆるメーカー完成車に施工すれば、今日の架装待ちで1年半とか2年といった長納期も解消できます。また、取り付けが4時間ということは、取り外しも簡単に出来るということですから、トラックの汎用性も高くなるということにつながります。荷物を載せたパレットは480㎏くらいまで軽々と移動させることができます。荷役作業を省力化・効率化することは、ドライバーの負担軽減につながり、今日のドライバー不足解消の一助になると思います」。
さらに今回の説明会では、国内登録第1号車という新型日野プロフィア、国内第1号車という三菱ふそう新型スーパーグレートも展示された。まず新型日野プロフィアは後2軸の6×2で、ダブルデッキの荷室を採用。バンに奥行約60cmの可動式の棚を設置することで、スペースを最大限に活用。積み重ねができなかった荷物や高さが均一でない荷物を効率よく積載することができる車両に仕立てられている。また新型スーパーグレートは8×4で、メーカーオプションのサイドスカートを履いたフルエアロのウイングボディで、フロントバイザーはベンツ用とか。ちなみにナンバープレートの数字は、新型日野プロフィアが「2017」なら、新型スーパーグレートは「1」という凝りようだ。このほか本誌「フルロード」第23号で取材したニトリの製品を運ぶホームロジスティクスのスワップボディやヨーロッパの有用な製品を装着した「SENO PRODUCE」と称するカスタム車両も多数展示された。
挨拶する富士運輸の松岡 弘晃代表取締役。「ハイドローダーは、瀬野部長がどうしても輸入して使いたい、さらに皆さんにも販売して使っていただきたいということで、今回のイベントを開催させていただきました」
瀬野部長は「運送会社の目線からこういうのあればいいなというの見つけてきて輸入して、その集大成がこのハイドローラーになります」と語った。後ろにはジョロダー社の担当者も……
軽々と480㎏の荷物を移動させることができるパレットローダー「ハイドローダー」
車両のリヤの荷台下にあるコントローラー。ローラーのアップダウンなどをコントロールする
富士運輸の新型日野プロフィア。国内登録第1号車ということで、当日は出発式も開かれた
新型日野プロフィアのダブルデッキの荷室
サイドスカートを履く新型スーパーグレート
新型スーパーグレートのウイングをオープン。隣にはいすゞ新型ギガの姿も……
コンテナが脱着できるスワップボディも展示された
会場風景
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