日本ミシュランタイヤのユーザー プレス見学会から その2

日本ミシュランタイヤのユーザー プレス見学会から その2

㈱藤伸が初めてミシュランタイヤを使い始めたのは2006年のことでした。タイヤ関連経費が年々嵩むようになり困っていたところ、懇意にしているトラックディーラーから「ミシュランはタイヤ寿命が長く、評判がいいですよ」との話が……。半信半疑で2台の4軸低床に装着しテストしたところ、従来品では平均で12万7845㎞、約1年程度だったライフが、20万4704km1年9カ月に延長し、パンクも少ないことが判明。そこで、翌2007年から順次ミシュランタイヤに切り替えはじめ、現在では約9割がミシュランタイヤを履いているそうです。

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広島市佐伯区にある藤伸本社のヤード

2008年には、リグルーブの研修を受け、2009年からリグルーブしたタイヤの使用を開始し、さらに2011年からは、自社の台タイヤを使用したリトレッドタイヤの装着も開始。ちなみに「リグルーブ」とは、摩耗が進んだタイヤに再び溝を刻み、タイヤ性能を維持してライフを延長しようというもの。ヨーロッパのトラック・バスなどでは普遍的な手法であるものの、日本ではミシュランタイヤだけが推進しており、日本ミシュランの汎用的なトラック・バス用タイヤは、ほぼ全てこのリグルーブに対応したトレッドがやや厚いタイヤになっています。一方「リトレッド」とは、再生タイヤもしくは更生タイヤとも呼ばれる手法で、一次寿命を全うした使用済みタイヤ(台タイヤ)に新しいゴムを張り付け、加硫してトレッドパターンを形成し、リボーンさせたタイヤのこと。リグルーブもリトレッドも、環境に配慮した手法といえます。

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リグループ待ちの摩耗したタイヤのストック。比較的きれいに均等にすり減っている感じだ

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サイドウォールにマーキングされたREGROOVARLE(リグルーバブル)の文字。この文字が無いタイヤは、絶対にリグループしないように……。危険です

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藤伸の整備士によるリグループ。研修を受ければ誰でもリグループできるところが1つのポイントだろう。1本を仕上げるのに約30分~1時間ほど。いま現在は年間に250~300本をリグループを実施し、それは摩耗したタイヤの約90%にあたるという

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バリカンみたいな形状のリグルーバーを使って電熱でアンダートレッドに溝を刻んでいく

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藤伸のリグループは非常に丁寧で、遠目には新品タイヤと見間違えるほどだ。リグループによりウェットグリップを高めると共に、タイヤライフは最大25%延長する。さらにリグループタイヤは、トレッドの変形が少なく発熱が抑制されるため、燃費的にも美味しいところだという。このリグループタイヤが摩耗したら、今度はそれを台タイヤにしてリトレッドをすれば、さらにお得で環境にも優しいというのがミシュランの提案である。藤伸は、それを実証したユーザーなのだ

さて、こうした取り組みの結果、藤伸では、2007年をピークにタイヤ経費が毎年低減し、トラック1台当たりにかかるタイヤ経費は、平均でピーク時の11万5000円から6万5000円と38%も削減したとのこと。その内訳は、ミシュランタイヤ導入による長寿命削減効果が約22%、リグルーブタイヤ活用によるタイヤ再利用削減効果が約16%だといいます。

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プレスの質問に丁寧に答える藤伸の藤川久富社長(左)と沖本朗専務取締役(右)

藤伸の沖本朗専務は、「ミシュランタイヤは、やや単価が高いものの、他社に比べタイヤライフが1.6倍と長く、リグループにも対応している。弊社では、近くすべてミシュランタイヤに切り替え、リグルーブやリトレッドを推進することにより、2013年のタイヤ関連経費はピーク時の50%低減を狙っている」とのこと。
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リグループタイヤを履いた4軸低床車

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ちなみにリトレッドタイヤと異なり、リグループタイヤはフロントの操舵輪に装着しても何ら差し支えない

ちなみに、その削減効果を金額に直すと年間1400万円ということですから、侮れない数字です。藤伸では、そのタイヤ経費削減分を荷台車載カメラの装着に活用したり、荷物を雨水から守る荷台の水漏れ検査施設などに投資しています。
一事が万事。タイヤ使用管理がしっかりしている会社は、やはりしっかりした会社であることを再認識したi日本ミシュランタイヤのプレス見学会でした。  (この項 了)

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