スカニアが日本市場に再進出する。スカニアは、かつて「日野スカニア」ブランドで4×2トラクタのみをラインナップしていたが、今回は主力マーケットのヨーロッパで導入されているフルオーダーメイドシステムを日本市場でも導入、まったく新しい国内展開を行なっていくという。フルオーダーメイドシステムは、エンジン、ギアボックス、アクスルレイアウト、フレームなどを好みの仕様にオーダー可能なスカニア独自の仕組み。セミトラクタのみならず単車もオーダー可能だ。重量物輸送をはじめとする特殊輸送の分野では、日本市場に再進出したスカニアの展開がとても注目されているが、すでに日本法人のスカニアジャパンが車両導入をスタートさせていて、6月2日から3日にかけてスウェーデン大使館で行なわれたイベントに展示されたこの車両も、そんな国内導入車のうちの一台だ。
展示車種は、R440 4×2 トップライン。イタリアンスポーツカーのマセラティを輸送するためのもので、車載用セミトラクタのため長尺・底床フレーム仕様で、車体寸法は全長5.8m×全高3.79×全幅2.49。サスペンションはフルエア式だ。ブルー系にシルバーをあわせたカラーパターンもオーダーのカスタムカラーで、フレームから燃料タンクにいたるまでが鮮やかなブルーにペイントされる。なお、これに牽引されるパネルタイプの車載トレーラも、同じカラーパターンとなる。
R440に搭載されるエンジンは12.7リットルのDC13型 直列6気筒OHVエンジン。最高出力は車名が示すように440ps/1900rpm、そして最大トルクは2300Nm/1000-1300rpmを発揮する。超高圧コモンレール式燃料噴射装置「スカニアXPI」にクールドEGR、そして尿素SCRシステムを搭載することで日本のポスト新長期排ガス規制にも適合する。また、これに組み合わせるギアボックスは、12段AMT「フルオートマチックオプティクルーズ」。同AMTは自動制御クラッチのため、ブレーキとアクセルのツーペダル式となっているのが特徴だ。
キャブは、スカニアの長距離輸送用最上級キャブである「トップライン」キャブ。室内高はエンジンのある中心部でも2.2mを超すため、楽々立って移動することができる。当然シートに腰掛けた時の頭上開放感も抜群。AMTの操作レバーはコラム式でステアリングホイールの右側に取り付けられ、またステアリングホイールには「スカニアリターダ」のコントローラスイッチ類が組み込まれており、これを操作することでオートクルーズの速度や降坂スピードが調整可能となっている。ベッドは二段で、上側が折りたたみ収納式となる。シートはブラックの本革張り仕様。
スカニアジャパンでは、通常の輸送用はもちろん、重量物輸送などの特殊な車体を必要とするマーケットでも、納得してもらえる車両を提供していきたいとしている。続報は本ブログと本誌でもお伝えします!
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