ドイツ・トラック紀行 その6

ドイツ・トラック紀行 その6

ヨーロッパのトラックに共通しているもの、それは「合理主義」である。トラックというものは本来、輸送の合理化や作業の効率化など「合理」を追求すべきものであるから、それは、当たり前と言えば当たり前なのだが、2トンのカウンターウエイト付きの海コンシャシという、全くもって不合理なコンテナトレーラの使用を強いる東洋の島国からすれば、合理主義に貫かれたヨーロッパのトラックが何とも羨ましく感じられる。

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軸重がキツかったら軸数を増やせばいいし、積載容積を稼ぎたかったらタイヤを小径化して低床化すればいい……。写真のアクトロス・ローライナーは、ユーザー仕様のカスタムメイドだが、こんな低床トラクタは、日本ではまずお目にかかれないだろう。実際、ヨーロッパのトラック(すなわちトレーラ)は、高容積化が著しく、カーゴ系のトレーラの多くが小径タイヤを履くようになってきている。

IAAの出展は、もちろんトラック/バスメーカーだけではなく、架装メーカーや部品・用品メーカーの出展も多いが、主に屋外に展示された架装メーカーの展示は、とても1日では見て回れないほど多彩であり、ヨーロッパ流の合理主義に裏打ちされた車両のオンパレードだ。日本では、多軸化すると「タイヤの経費がかさんで困る」などの異論が出そうだが、何よりも稼ぐために理に適った車両を追い求める、それがヨーロッパの合理主義の真髄のように思える。

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