セントラルドライブで500km以上の航続距離
高評価だったドライブラインは、パッカーのEX-D1およびEX-D2を搭載し、170kW(230hp)から350kW(480hp)を発揮する。モジュラー式のバッテリーパックは210kWhから525kWhまで選択でき、1充電当たりの航続距離は最大で500kmを超える。4×2および6×2トラクタからリジッド車まで豊富な車型を展開している。
優れた空力性能のほか、低いキャブ位置とベルトラインに高度なデジタルカメラシステムを組み合わせたことで視認性・安全性を向上させた。こうした特性から、ゼロ排出のBEVでありながら、市街地における地場輸送と長距離用途の両方に適した設計となっている。
DAFのザイデル社長は受賞に際して次のように話している。
「XDおよびXFエレクトリックがIToY2026を受賞したことは、弊社従業員すべてにとって誇るべき瞬間です。イノベーション、品質、持続可能性を通じて、ゼロエミッション輸送の未来を推進するという私たちのコミットメントを改めて示すものであり、一流の商用車ジャーナリストの皆様が弊社の車両の効率性・安全性・運転快適性を高く評価してくれたことを、大変嬉しく思います。
トラック業界で最も権威あるこの賞を受賞できたことは、お客様に最高品質の製品とサービスを提供するための組織全体の努力が認められた証だと思っています」。
TIA2026にボッシュの安全技術
いっぽう、IToYと同時に発表されるトラック・イノベーション・アワード2026(TIA2026)は、ボッシュの「ロード・ハザード・サービス」に贈られた。
TIAはトラック・商用車分野における技術革新とエネルギー転換を表彰するもので、審査員は欧州と南アフリカの主要な商用車専門誌に所属する25名のジャーナリストで構成され、多くはIToYと兼任だ。
ボッシュのロードハザードサービスは、霧、大雨、事故、故障車など、潜在的な危険に関するリアルタイム情報を道路利用者に提供するもので、2024年6月に欧州全域の乗用車に導入されたほか、同年12月以降、メルセデス・ベンツ・トラックスの商用車にも搭載されている。
これらのコネクテッドカーから収集した匿名化データに加えて、気象サービスや道路管理者からの情報を活用し、危険な状況を早期に検知する。
車載センサーは温度、ワイパーの作動、車両スタビリティ制御の介入状況などの情報を集めている。こうして収集したデータをアルゴリズムによって分析し、ハイドロプレーニング現象や視界不良などの潜在的リスクを推測、ナビゲーションを通じて適切なタイミングでドライバーに通知する仕組みだ。
このサービスはボッシュのコネクテッドマップサービスの一部であり、車両データをネットワーク化することで運転支援システムを強化し、刻々と変化する道路状況への対応力を高める。また、コネクテッドマップサービスは自動運転における一種のセンサーとしての役割も果たしており、路面状況、車線の形状、高精度な位置情報などのデータを提供することで、自動運転車両はより安全でスムーズ、かつプロアクティブに走行できるようになる。
審査員の投票によりボッシュのシステムは合計66ポイントを獲得した。2位だったのは米国で完全自動運転走行を行なっているボルボVNLオートノマスで、3位はカミンズの新事業部であるアクセレラの包括的なゼロエミッション・ポートフォリオだった。
審査員は道路の安全性に対する大きな影響と、滑りやすい道路や視界不良による重大事故リスクの軽減を評価するとともに、匿名化されたビッグデータを活用するシステムの将来性を高く評価した。
IToYの審査委員長を務めるフロリアン・エンゲル氏は受賞式において次のように述べている。
「ボッシュのロード・ハザード・サービスはビッグデータを有効に活用することで人々の生活や安全が、どれほど向上し得るのかを示しています。人の移動だけでなく、物の移動においても安全性向上に貢献しており、さらに自動運転車両にも新たな道筋を切り開いたこのサービスは、欧州における新たな基盤となるでしょう」。
なお、TIA2026にノミネートされた技術は次の通りだ。
・アクセレラ・バイ・カミンズ
・オーロラドライバーによる自動運転
・ボッシュのロード・ハザード・サービス
・アインライドの自動運転による国境越え
・スカニアとDHLのレンジエクステンダー
・トルクの自動運転トラック
・ボルボ「VNL」自動運転トラック

















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