自動運転の事業化に向け一気に加速!! いすゞが来年1月から自社部品物流ルートで事業実証へ!!

自動運転の事業化に向け一気に加速!! いすゞが来年1月から自社部品物流ルートで事業実証へ!!

 いすゞ自動車は11月17日・18日の両日、北海道むかわ町の北海道試験場において、報道陣向けに「いすゞ自動運転ソリューション説明会」を開催。併せて敷地内に建設中の自動運転専用テストコースの進捗状況を説明するとともに、同乗試乗を含む自動運転大型トラックの幹線輸送デモ走行などを公開した。

 また、それに合わせて来年1月から自社部品物流ルート内の公道ににおいて自動運転事業実証を開始することを発表。自動運転の事業化に対するいすゞの「本気度」を示すと共に、一般の人たちにも商用車の自動運転に対する理解と認識を深めてもらうべく大きく動き出した。では、この事業実証の概要を見ていこう。


文・写真/トラックマガジン「フルロード」編集部

事業実証の概要

走行デモ&試乗に用いられたギガCYJ系ベースの自動運転トラック(第一世代)。システムはLiDAR6台、ミリ波レーダー6台、GNSS1台、IMU1台、セルラーアンテナ1基という構成。自動運転作動中ランプと停止表示灯も備える
走行デモ&試乗に用いられたギガCYJ系ベースの自動運転トラック(第一世代)。システムはLiDAR6台、ミリ波レーダー6台、GNSS1台、IMU1台、セルラーアンテナ1基という構成。自動運転作動中ランプと停止表示灯も備える

 いすゞ自動車は、来年1月より自社部品物流ルート内の公道において、自動運転事業実証を開始する。同社が目標とする2027年度からの自動運転レベル4トラック・バス事業の開始に向け、物流事業者にとって最適な自動運転物流モデルの構築を目指す。

 同事業事業は2027年度にかけてStep1〜3の3段階で実施。Step1では来年1月から来春にかけて、昨年戦略的提携契約を締結した米アプライド・イントゥイション社と共同開発した自動運転大型トラックを運行させる。

 運行ルートはいすゞグループの物流事業を担ういすゞロジスティクスの岩舟パーツセンター(栃木県栃木市)と中部部品センター(愛知県一宮市)を結ぶ区間。このうち自動運転で走行するのは新東名高速の駿河湾沼津SA〜浜松SA間で、セーフティドライバーが常時乗務する形で行なう。

 走行頻度は週5日程度(将来目標。1日で往復する想定)で、日中〜夜間にかけて時間帯を問わず運行。走行時間帯、荷量、天候などの多様なユースケースのほか、セーフティドライバーや遠隔監視などの役割を検証する。

 また、監視システムで異常時などの把握が適切に行なえるかや、監視システムで把握した情報をもとに適切なオペレーションが行なえるかどうかの模擬検証も行なう。なお高速道路上を含め、公道で車両を停止させての実証は行なわない。

 自動運転大型トラックは実際にいすゞグループの補給部品を運んで運行し、荷役作業(荷積み、荷降ろし)も行なう。このように、より実践的な実証を行なうことで、自動運転物流の実現に向けたノウハウの蓄積を図る。

 さらに、Step1の結果を踏まえ、2026年度にStep2、2027年度にStep3の各フェーズを計画。Step2では物流拠点や遠隔監視などのサービスを含めたさまざまな観点での運行効率の検証を行ない、得られたデータや知見、ノウハウを自動運転車両の開発にフィードバックする。

 そしてStep3での最終検証を経て、2027年度中の自動運転レベル4トラック事業の開始を目指したい考えだ。

新開発の自動運転車両

こちらは現在開発中の自動運転大型トラックの第二世代モデル。AIの活用範囲を広げることで、複雑な交通環境に対応する
こちらは現在開発中の自動運転大型トラックの第二世代モデル。AIの活用範囲を広げることで、複雑な交通環境に対応する

 今回の事業実証にはアプライド・イントゥイション社と共同開発した新たな自動運転車両を導入する。すでに本格的に開発に着手した年初から、日米で累計15万キロを走行しているという。

 普及率が高く、幹線輸送に広く使用されている大型トラック「ギガ」の車両総重量25トン級4軸低床8×4モデルに、新開発の自動運転システムを搭載する。

 自動運転システムは、前方/側方の物体を検知する「ミリ波レーダー」、車両周辺360度をスキャンする「LiDAR」、カメラを組み合わせたセンサーと、自社の位置を推定する全球測位衛星システム「GNSS」、車両の挙動を検知する「IMU(慣性計測ユニット)」などで構成。

 Step2からは、より複雑な交通環境に対応するため、AIの活用範囲を拡大した開発中のE2E(エンド・ツー・エンド)アーキテクチャを投入する予定。また、データ計測と走行評価のため、2026年度末までに計30台の自動運転車両を導入する予定だ。

【画像ギャラリー】開発中の第二世代モデルも登場! いすゞの自動運転大型トラック&バスのディティールをチェック!(7枚)画像ギャラリー

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