量産開始後も試験が継続される理由は?
メルセデス・ベンツ・トラックスでは車両の開発段階だけでなく、モデルが量産に入った後も継続的な改善を図るため、定期的にこうした衝突試験を実施している。
ここで得られた新たな知見は、製品ラインナップに継続的にフィードバックされ、迅速な技術開発と改正された安全法規の遵守、新しい顧客ニーズへの対応などを可能にしている。
同社は、ディーゼル車など従来型の大型トラックとともにBEVトラックでも道路の安全性を最大限に高めるというビジョン・ゼロ目標を一貫して追求しており、CO2を排出しない長距離輸送用の量産型BEVトラックとして注目されるeアクトロスだが、同時に最新型のアクティブセーフティ(ドライバー補助)システムを備えることも特徴の一つとなっている。
また、歩行者や自転車利用者などの交通弱者がBEVトラックの走行音を聞き取れるよう、車外への音響警報も搭載する。音は走行速度やアクセルペダルの踏み込みに応じて変化し、市街地で聞こえやすいように設計した。
eアクトロス600は2024年11月に量産が開始され、間もなく1年になる。モデル名の「600」が示す通り、600kWhを超える大容量のLFPバッテリーを搭載しているが、これは10000mAhのモバイルバッテリーに換算すると1.6万台分の容量だ。
新型電動アクスルにより、途中充電なしで500kmを超える航続距離を実現し、トラックドライバーに義務付けられている法定休憩(日本では4時間につき30分、欧州は4.5時間につき45分)中に充電オプションが利用可能なら、1日当たり1000kmを超える運行も可能。
メルセデス・ベンツ・トラックスはeアクトロス600をベースに第2世代の「eアクトロス」シリーズを開発しており、40種類を超えるバリエーションを展開している。
【画像ギャラリー】MB「eアクトロス600」実車による側面衝突実験の様子(27枚)画像ギャラリー



























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