実用初期レベルにまできた国産大型FCEVトラック

展開車型は高床3軸の長尺車のみで、プロフィアFRベースながら駆動軸配置は6×4となる。高床シャシーの側面を、熱交換器と水素タンク(左側2本・右側1本)の搭載に宛てているため、低床シャシーの設定はない。また、ドライバンまたはウイングボディの完成車のみを供給する。
プロフィアZ FCVの完成車ボディ(荷台)は、日野グループの車体架装メーカー・トランテックスが供給し、古河工場敷地内に併設されている同社古河工場で、荷台の生産と架装を行なう。これもプロフィアディーゼル車に設定されるバン/ウイング完成車と同様である(注:ただしディーゼル車の完成車ボディについては、トランテックス以外の車体架装メーカーも供給している)。
車両寸法は全長11990mm×全幅2490mm×全高3780mm。実証車と同じく、キャビン後方にも水素タンク(3本)を搭載するため、荷台内法長は約8900mmに留まる。荷台内法高は2455mm。ドライバン完成車の最大積載量は約11.6トンで、プロフィアディーゼル車に対して庫内容積・積載量ともに減少することから、いまのところはユーザーや積荷・用途を選ぶクルマといえる。しかし、国産大型FCEVトラックが実用段階の入り口に到達したことは、やはりマイルストーンとして大きな意味がある。
販売は、フルメンテナンスリースのみ。FCEVトラック導入に伴うコストや月あたりコストを明確にできること、ディーゼル車とまったく異なるFCEVのメンテナンスを確実に行なうことで、安定した稼働率を維持できるなどのメリットがあるという。販売地域は当面、FCEV商用車を対象とする自治体の導入補助制度が利用可能な「燃料電池商用車の導入促進に関する重点地域」(5重点地域にある1都5県)に限定する。販売台数は100台程度を目標にしている。
なお、10月30日~11月9日にかけて開催予定の「ジャパンモビリティショー2025」では、プロフィアZ FCV市販モデルにレベル4自動運転機能を搭載したコンセプトカー『プロフィアZ FCV L4コンセプト』を公開することにしている。
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