今年5月に開催された「ジャパントラックショー2024」でお披露目されたトーヨータイヤの「ナノエナジーM951EV」が遂に発売された。
国内市場初の小型EVトラック専用スタッドレスタイヤを謳っており、これからのウインターシーズンに向けて、EVトラックユーザーにとっては心強い製品となりそうだ。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部、写真・図/トーヨータイヤ・フルロード編集部、
EV専用非対称パターンを採用
商用車メーカー各社はEVトラックのラインアップを強化しているが、EVでは航続距離が重視され、タイヤにはこれに貢献する低電費性能が求められている。
特にEVは、バッテリー搭載による車両重量の増大、パワフルな駆動力による加速性能の向上、回生ブレーキの使用などの特徴を持つため、タイヤに対する負荷が高くなる傾向にある。
このような車両の特性や市場ニーズを考慮し、トーヨータイヤは小型EVトラック専用のスタッドレスタイヤを開発した。
新商品「ナノエナジーM951EV」は、EV専用非対称パターンを採用し、氷雪上性能と耐摩耗性能を高次元で両立。ブロックを大型化することで剛性を高め、また高密度に配置されたサイプによりアイス性能も確保している。
さらに、耐摩耗NCPコンパウンドを用い、低電費性能と耐摩耗性能の向上を追求。また、ビードワイヤーには環境に配慮した再生素材を採用している。
「ナノエナジーM951EV」の特徴
■トレッドパターン設計
小型トラックが活用される小口配送においては、ストップ&ゴーの頻度が高く、また、EV特有の高トルクによる早期摩耗を抑制する必要がある。「ナノエナジーM951EV」は、リブ(縦溝)パターンによって耐摩耗性能の向上を図りつつ、大型ブロックパターンに高密度ウェーブ3Dサイプを配置して高トルクに対応するトラクション性能と氷雪上性能を発揮する。
■配合設計
当社独自の材料設計基盤技術「ナノバランステクノロジー」を活用。さらに、ゴムコンパウンドのエネルギーロスを低減できる独自のプロセス技術「ナノ・コンポジット・ポリマー」を用いて、最適なコンパウンドを設計。トーヨータイヤの現行商品(汎用スタッドレスタイヤM919)比で、転がり抵抗を15%低減したうえ、耐摩耗性能を38%向上させている。
なお発売サイズは215/70R17.5 123/121Jの1サイズで、他のサイズについては市場の状況をみながら検討していくという。
トーヨータイヤは、今年6月に発売した「ナノエナジーM151EV」と今回の新商品により、今後活用拡大が見込まれる小型EVトラックの社会的な貢献を足回りから支えていく、としている。
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