コンチネンタルとオーロラ・イノベーションは2024年1月5日、トラック自動運転システムを2027年に世界で初めて量産化し市場投入すると発表した。
両社は自動運転システムの開発において独占的パートナーシップ契約を締結しており、「オーロラ・ドライバー」のハードウェアと、そのフォールバックシステムを開発している。北米ボルボとパッカーがオーロラの製造パートナーとなっているため、ロードマップ通りなら2027年にも米国で「無人トラック」の大規模展開が始まることになる。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部
写真/Continental AG・Aurora Innovation Inc.
世界初の「スケーラブルな」トラック自動運転システム
ドイツの自動車部品・タイヤメーカーであるコンチネンタルと、自動運転システムを開発している米国のオーロラ・イノベーションは、2027年にトラック自動運転システムを量産化すると発表した。
提携する両社が共有するロードマップ上で重要な開発マイルストーンに到達したことを受けたもので、人間のドライバーに代わってトラックを運転する仮想ドライバー「オーロラ・ドライバー」のハードウェアと、そのフォールバックシステムの設計を完了したという。
オーロラ・ドライバーはSAEレベル4に相当するトラック用自動運転システムで、特定の条件下ですべての運転操作を人間の介在なくシステムが行なうもの(SAEは自動車エンジニアなどを会員とし、規格標準化などを行なっている非営利組織)。
2027年中にコンチネンタルが製造を開始する予定となっており、両社がパートナーシップを結んでから1年未満でハードウェアの設計を終えた。ロードマップ通りに行けば、スケーラブルな(つまり量産可能な)トラック用自動運転システムを商用化するのは世界初となる。
まったく新しいハードウェアを市場に投入するのは複雑なプロセスで、時間のかかる作業だ。設計開始から量産化まで数年がかかることも珍しくない。この課題を早くから認識していたオーロラは、信頼性が高く、実用的で、コスト効率に優れた自動運転キットの量産化でコンチネンタルと提携することを選択した。
オーロラはドライバーレストラックの試験運転を2024年末までに開始することにしており、今回の発表でその後の自動運転トラックの大規模展開にも道が開けた。コンチネンタルの高い製造技術を活用することで、将来的にオーロラ・ドライバーは100万マイル(約160万km)にわたって顧客に価値を提供できるように設計される。
コンチネンタルのオートモーティブ・グループ部門執行役員のフィリップ・フォン・ヒルシュハイト氏は次のようにコメントした。
「自動運転技術は自動車の発明以来、最大の運転体験の変革をもたらします。私たちはこのマイルストーンを達成し、お客様が求めている『簡単にサービスを導入できる自動運転トラック』の信頼できる道を実現します」。
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