AI(人工知能)を搭載した荷積みロボットによりトラックドライバーや荷役作業者の負担軽減を目指す。佐川急便や住友商事など4社はそんな実証実験プロジェクトを開始すると発表した。
物流業界の労働力不足は深刻な課題となっており、以前からロボットの導入が検討されて来たが、佐川急便の求める輸送品質や処理速度の面から人手作業の代替は困難だった。今回、米国のDexterity社とともにAIロボットに佐川急便のオペレーションを学習させることで、要件に合致するロボットの開発・試験を実施する。
荷役作業の負担軽減と省人化のため、実証実験後は早期の実用化を目指すそうだ。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部
写真/SGホールディングス・住友商事・Dexterity, Inc.
荷役作業の省人化へ佐川など4社が共同プロジェクト
佐川急便など4社は2023年12月15日、国内の物流業界で初めてとなる「AI搭載の荷積みロボット」による荷役作業の省人化を目指す実証実験を開始すると発表した。
実証実験に参加するのは佐川急便と同社の持株会社のSGホールディングス、米国のユニコーン企業でAIロボティクスソフトウェアの開発等を行なう Dexterity, Inc.(デクステリティ、以下「Dexterity」)、および Dexterity の日本代理店を務める住友商事の4社だ。
(ちなみに「デクステリティ」は英語で「器用さ」を意味する単語)
今後の輸送力不足に対応する取り組みの一環として、AI搭載の荷積みロボットの実証実験を行なう共同プロジェクトを発足し、2023年12月から1年間の実証実験を行ない、早期の実用化を目指す。
佐川急便の調べによると、個々の荷物をトラックの庫内の最適な位置に積み込めるAI搭載の荷積みロボットの開発は、国内の物流業界において初めてとなる。
実証実験の場所は、AI搭載の荷積みロボットの開発が Dexterity の米国施設、実オペレーションの検証がSGホールディングスの「Xフロンティア」となる。
XフロンティアはSGホールディングスの次世代型大規模物流センターで、2020年1月に竣工した、佐川急便の大規模な中継センターと、グループ各社が使用する倉庫区画、事務所スペース、一部テナントスペースからなる国内最大級の物流施設だ。
実証実験の内容としては、既存の Dexterity 製の荷積みロボットをベースに、佐川急便が求める輸送品質や処理速度などの要件に合致するAIを搭載した荷積みロボットの開発・テストを実施する。
また、開発したAI搭載の荷積みロボットをXフロンティア内の中継センターに設置し、実際のオペレーションを検証する。費用は約6億円となる。
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