eトラックは開発段階で既に実践投入
電動のトラックが今日のディーゼル車をできるだけ早く置き換えることができるように、MANが最も重視しているのは量産開始の当初からトラックの実用性を確保することだ。
このためにMANは独自の運送会社を2022年12月に設立した(ドイツの「ロードフォックス輸送ソリューション」という会社)。その目的は最新技術を実際の運行において確かめることで、自社工場の物流ルートにおいてアーリーステージの試験を行なっている。
10月からは同社が発売前のeトラックをドイツ国内の各拠点間の物流で運行している。また、ロードフォックスは2024年からは自動運転機能の実運用についても試験する予定だ。
eトラックが、パフォーマンス・信頼性・効率性においてディーゼル車に決して劣らないことを証明するため、量産準備が整うまでの過程で過酷な耐久・荷重・安全性試験も行なわれた。これには冬のスウェーデンのマイナス40度という低温環境や、夏のスペイン南部での40度を超える高温環境での試験も含まれている。
こうした極端な環境で試験を行なう理由は、駆動系のコンポーネントのほか、バッテリーや充電時の温度管理のためでもある。スペインでは開発を担当する40人の技術者が、10週間・1万kmを試験に費やした。実際の輸送タスクは様々であるため、昼夜を問わず、極端な勾配などもテストしたという。
MANはeトラックの一日の走行距離として最大800kmを掲げており、長距離輸送も充分に視野に入る。
欧州では2025年にもメガワットクラスの急速充電規格も利用可能になる予定だ。法定休憩時間(日本の「430休憩」(4時間の連続走行につき30分の休憩)と同様のもので、EUでは4.5時間の運転につき45分の休憩が義務付けられている)に充電が可能であれば、一日に1000kmを走ることも可能だ。
長距離輸送が可能であるということは、もちろん他のほとんどの輸送領域は簡単にカバーできるということでもある。
MANはBEVトラックの購入と充電インフラ、持続可能性、適切な車両構成などに関する質問に専門的なアドバイスを与えられるように、市場ローンチに先駆けて欧州で1200人のセールスチームを用意するなど、eトラックの発売に向けて着実に準備を整えていた。
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