水素で走るクルマの時代へ向けて道路運送車両法を改正! 12月21日から高圧ガス容器の再検査手続きが一元化

水素で走るクルマの時代へ向けて道路運送車両法を改正! 12月21日から高圧ガス容器の再検査手続きが一元化

 国土交通省は10月20日、燃料電池車(FCV)や圧縮天然ガス車(CNG車)、液化石油ガス車(LPG車)の燃料タンクである「高圧ガス容器・附属品」を規制する高圧ガス保安法の該当部分を、道路運送車両法へ一元化する法改正を行ない、今年12月21日から施行すると発表した。これらの自動車の維持のための手続きを一元化することで、普及時のスムーズな継続検査業務を可能とする。

文/トラックマガジン「フルロード」編集部
写真・図版/国土交通省、日本ガス協会、フルロード編集部

ガス燃料のクルマにつきまとっていた二つの法律

道路運送車両法に、高圧ガス保安法の自動車に関する規定を一元化(出典:国交省)
道路運送車両法に、高圧ガス保安法の自動車に関する規定を一元化(出典:国交省)

 道路運送車両法は、自動車を公道で安全に運行するための法律で、国交省が所管している。一方、高圧ガス保安法(高圧法)は、さまざまな高圧ガスを安全に取り扱うための法律で、経済産業省が所管している。つまりFCV・CNG車・LPG車は、法律上、どちらにも該当してしまうクルマなのである。
 
 そのため、FCV・CNG車・LPG車は、自動車の型式指定と新規検査で、高圧法に基づく高圧ガス容器・附属品の「検査」が別途必要で、継続使用のための定期的な「再検査」も、車検とは別に行なう必要がある。その再検査は、自治体に登録された「容器検査所」で行なうことになっている。

 すでに、FCV・CNG車・LPG車を取り扱う自動車販売会社の指定工場などが、自ら容器検査所として登録し、クルマの定期検査と同時に容器の再検査を行なう場合もあるが、それぞれ違う法律に基づく検査であるため、手続きがガソリン車やディーゼル車よりも煩雑となり非効率だった。

 そこで、道路運送車両法に、高圧法の自動車高圧ガス容器・附属品の規制に関する内容を新たに盛り込んで法的に一元化、、高圧法からはFCV・CNG車・LPG車を適用除外とする改正を、今年12月21日に施行することになった。

高圧ガス容器とクルマの定期検査のサイクル(出典:日本ガス協会)
高圧ガス容器とクルマの定期検査のサイクル(出典:日本ガス協会)

水素時代へ向けた法整備

大型FCトラック・日野プロフィアZ FCVプロトタイプの水素タンク
大型FCトラック・日野プロフィアZ FCVプロトタイプの水素タンク

 将来の小型~大型トラックは、FCVや水素エンジン車など、水素を燃料としていく方向にあるとされる。特に技術的に高度なFCVの成熟化までは、水素エンジン車とともにガスエンジン車が併用される可能性もある。今回の道路運送車両法と高圧法の改正は、そういった時代に向けた法整備として、重要なものといえる。

 ちなみに、水素は気体(ガス)の場合、35メガパスカルまたは70メガパスカルの圧力で容器(燃料タンク)に収容する。また、CNG車は20メガパスカル、LPG車は0.7メガパスカル(プロパンの場合)で容器に収められている。

 なお、高圧ガス容器には「充填可能期限」(15年まで、あるいは20年まで)が設けられている。もしFCV・CNG車・LPG車を長期間にわたって使う場合、期限満了の高圧ガス容器・附属品を新品に載せ替えるか、あるいは別の車両から一定の基準を満たした高圧ガス容器・附属品を転載するなど、交換が必須となってくる。

 特にトラックのFCVやCNG車は、容器の総容量が大きくなることから、交換にかかる費用も高額となるのは確実だ。いつまで1台を使うかにもよるが、総保有コスト(TCO)やリセールへの影響を覚悟する必要はあるだろう。

【画像ギャラリー】FCVやCNG車の普及拡大!? 高圧ガス容器を用いるクルマの継続手続きがラクになります(5枚)画像ギャラリー

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