EVトラックの導入に際しては、まずはお試しに1台か2台入れてみるといった事業者が多かったと思うが、32台ある集配車両をすべてEVにしちゃったというからスゴい!
考えてみれば、ディーゼル車とEVが混在するより、EVならEVで統一したほうが施設や運用面でも何かと便利なはず。
この取り組みを行なったのは、車両のEV化を最近さらに加速させているヤマト運輸で、これは同社の複数のEV運用オペレーションを想定したエネルギーマネジメントのモデルケースとなるはず。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部
写真/ヤマト運輸
集配車両のEV化を促進するヤマト運輸
ヤマトグループは、2050年温室効果ガス(GHG)自社排出量実質ゼロおよび2030年GHG自社排出量48%削減(2020年度比)の実現に向けて、EV2万台の導入、太陽光発電設備810基の導入、ドライアイス使用量ゼロの運用構築、再エネ電力の使用率を全体の70%まで向上するという主要施策を中心に、各取り組みを進めている。
いっぽうEVを導入するうえで、電力使用量の増加や夜間の一斉充電による電力使用ピークの偏りなど、さまざまな課題があった。
このほど京都の八幡営業所に全車両EVの導入が完了し、蓄電池や関西電力グループの電力平準化システムなどを活用し、エネルギーマネジメントを行なう営業所として本格稼働を開始した。
これにより、夜間のEV一斉充電による電力使用ピークの偏りを緩和するなど、EV導入における課題を解決するとともに、サステナブルな物流の実現に貢献するという。
全車両EVの導入が完了した八幡営業所の特徴
2023年5月1日に新規オープンしたヤマト運輸の八幡営業所(京都府八幡市)は、同社の営業所として全国で初めて全車両EVで稼働する営業所となる。また、太陽光発電設備と蓄電池を導入し、日中発電した電力でEV充電や建屋電力の一部を賄う。
太陽光発電で賄いきれない電力分は、関西電力の「CO2フリー電力」を購入するという。
また、電力平準化システムにより、夜間のEV一斉充電による電力使用ピークの偏りを緩和するなど、エネルギーマネジメントを行なうことで、サステナブルな物流の実現を目指している。
その八幡営業所の特徴は次のようなものだ。
(1)集配車両32台すべてEVを揃えている
(2)太陽光発電設備を設置し、再エネ電力を発電する
(3)電力平準化システムを導入し、充電を制御することで電力使用ピークの偏りを緩和する
(4)蓄電池を設置し、日中太陽光発電設備で発電した電力を建屋電力やEV充電などに活用する
(5)営業所内は全てLED照明を導入し、省エネにも取り組んでいる
なお今回導入したEVの内訳は、「日野デュトロ Z EV」が21台、三菱ふそう「eキャンター」が11台である。
ヤマト運輸では、今後ともサステナブルな物流の実現に向け、引き続きEVや太陽光発電設備の導入、再エネ電力の使用率向上などを進めるとともに、複数のEV運用オペレーションを想定したエネルギーマネジメントの検証を進め、サステナブル経営を強化していくとしている。
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コメント
コメントの使い方長距離輸送の場合はインフラの問題や一回の連続航続距離がまだまだ課題山積みだが、市内集配など走行距離の1日100~150km程度だとよいと思いますね。
特に市街地などは排ガスの匂いも軽減されるでしょう。
ホーム屋根に太陽光パネルとか風力発電設備とかおいいと思います。
現在のEVは車からはCo2出ないが、火力発電ですけど?の問題もあります。