オランダのDAFが新世代の中型トラック「XB」を発表した。日本市場では展開されていないものの、海外市場では日本車と競合することの多いクラスだ。このセグメントは都市部の集配送や特装系の用途が多く、最初からバッテリーEVモデルと建設系のオフロードモデルを設定している。
大型車を含めてDAFが1年半をかけて進めきたラインアップの刷新は、これで一段落となりそうだ。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部
写真/DAF Trucks N.V.
「中型トラック」に相当する新世代の集配送用トラック
オランダの大手トラックメーカーで米国パッカーグループに属するDAF(ダフ)は2023年8月23日、新世代の集配送用トラック「ダフXB」を発表した。車両総重量(GVW)で言うと7.5トン~19トンの車両で、日本の「中型トラック」に相当する。DAFの現行車では「ダフLF」が担っているクラスだ。
新しいモデルシリーズでは、ディーゼル車に加えて最初からバッテリーEV(BEV)の設定があり、運送会社のゼロ・エミッション輸送への移行をサポートする。環境フットプリントの最小化と、クラス最高の効率・安全性・快適性を両立したという。
DAFは先だって大型車の世代交代を完了しており、18カ月をかけて進めてきたラインアップの刷新は、これで一区切りとなりそうだ(フラッグシップ大型トラックは「XF」→「XG」および「XG+」、中~大型トラックは「CF」→「XD」、中型トラックは「LF」→「XB」へ)。
集配送用トラックの新水準であり、地場輸送に最適なソリューションだというXBの概要は次の通りだ。
当初からBEVを設定
●BEVはGVW12,16,19トンのバリエーション
●航続距離は最大350km
●バッテリーは80%充電が40~70分
●専用の購入サポート、アドバイスとトレーニング、そしてパッカー製の充電器を用意
ディーゼル車はパッカーのPX-5/7高効率エンジンを搭載
●エンジンの馬力帯は124kW(170hp)から227kW(310hp)まで
●低回転からピークトルクを発揮し、燃費を向上
●「パワーライン」8段オートマチックトランスミッションを用意
●HVO燃料も使用可能(CO2排出量を90%削減)
安全性と快適性の新水準
●フルセットの先進運転支援システム(ADAS)を用意し、直接視界でも突出
●デイキャブ、エクステンドデイキャブ、スリーパーキャブを用意
●優れたアクセシビリティとクラス最高の操作性
●カスタマイズ可能なデジタルディスプレイも新型に
また、建設セクター向けに255mmのグラウンドクリアランスと、25度のアプローチアングルを確保したオフロード仕様の「XBC」も準備している。
ダフXBシリーズは2023年の第4四半期に量産を開始する予定で、都市部の地場輸送や特装車など、中型トラックによるあらゆるソリューションを提供する。
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