これが世界最高のトラックだ! ダフがインターナショナル・トラック・オブ・ザ・イヤーを2連覇!!

これが世界最高のトラックだ! ダフがインターナショナル・トラック・オブ・ザ・イヤーを2連覇!!

 オランダ・ダフの新世代「XD」シリーズがインターナショナル・トラック・オブ・ザ・イヤー(IToY)2023に選ばれた。XDは建設用の特装車や集配送に用いられる大型トラックだ。

 ダフは、昨年の「XF」「XG」「XG+」に続き、輸送業界で最も名誉ある賞とされるIToYを2年連続で受賞した。

 また、同じくIToYが選考しているトラック・イノベーション・アワード2023は、メルセデス・ベンツの長距離輸送用バッテリーEVトラック「eアクトロス・ロングホール」に与えられた。

 パンデミックの影響で4年ぶりの開催となった世界最大の商用車ショー・IAAトランスポーテーションでセレモニーが行なわれたほか、IAAでは新型XDのフル電動バージョンも公開されている。

文/トラックマガジン「フルロード」編集部、写真/DAF・Daimler Trucks

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インターナショナル・トラック・オブ・ザ・イヤー2023

 ダフの新型XDシリーズが2023年の「インターナショナル・トラック・オブ・ザ・イヤー」(IToY)に選出された。

 同賞は、欧州の主な商用車専門誌の編集者と著名なトラックジャーナリストら24人の審査と投票により決定され、「世界最高のトラック」という栄誉は欧州域外でも高く評価される。

 今年は世界最大の商用車ショー「IAAトランスポーテーション」の開催年で、開催前日のプレスデイ(2022年9月19日)にドイツ・ハノーバーで行なわれた授賞式には、ダフ・トラックス社長のハラルド・セイデル氏らが出席した。

 XDは、オランダ・アイントホーフェンを本拠とする商用車メーカー・ダフ(米国・パッカーグループに属する)の集配・特装用トラックで、IToYの投票では134票を集めた。

 他の候補として、長距離輸送用の「スーパー」ドライブトレーンを搭載したスカニアの新型トラックや、第3世代の「OM471」型エンジンを搭載したメルセデス・ベンツの大型トラック「アクトロス」などがあった。

 競合を抑えて栄冠を手にしのはダフ「XD」で、昨年(IToY2022)の「XF、XG、XG+」に続きダフが同賞を連覇した。

 IToYは選考規定に基づいて、過去12か月の間に市場に投入されたトラックのうち、道路輸送の効率化に最も貢献した車両に贈られる。判断の重要な基準となっているのは、技術的なイノベーション、車両の快適性・安全性・操作性、燃費性能、環境への影響、総保有コストなどだ。

 ダフの新型XDは、新世代の大型トラックであるXF、XG、XG+と共通のDNAを持ち、EUの新しい重量・寸法規則を最大限に活用した。

 その結果、集配送用のトラックとして最も重要な直接視界を大幅に改善したほか、キャブ内のスペース、空力性能、燃費、安全性とドライバーの快適性も大きく向上した。

 最近オランダで行われた試乗を通じて、IToYの審査員たちは、ドライビングポジションの改善と大型の曲面ウィンドスクリーン、ベルトラインを下げたサイドウィンドウ、側面下方を確認するカーブウィンドウなどにより全周囲の視認性が向上したことを高く評価した。

 これらの特徴に加えて、従来のバックミラーとコーナービューミラーに代わるデジタルビジョンシステムを搭載したことで、とりわけ混雑した都市交通において道路利用者の安全性を向上させた。

 また、パッカーMX11型直6エンジンとZFの「トラクソン」自動化トランスミッションの組み合わせによるパワートレーンは、高度な予測機能と合わせて、審査員を満足させるだけのパフォーマンスを示した。

 投票を総括してIToYの会長を務めるジャネンリコ・グリッフィーニ氏は次のように話した。

「新型XDの導入により、ダフは最新の集配送用トラックに新しい水準をもたらしました。さらに新型XDは、まもなくIAAで発表される次世代のバッテリーEV(BEV)に適したプラットフォームでもあります」。

 なお、そのBEVトラックだが、航続距離500km以上を謳うXDおよびXFの電動バージョンがIAAで発表されている。

これが世界最高のトラックだ! ダフがインターナショナル・トラック・オブ・ザ・イヤーを2連覇!!
BEVのXFエレクトリック(左)とXDエレクトリック(右)。BEVプラットフォームとしての評価も授賞理由に含まれている。

トラック・イノベーション・アワード2023

 いっぽう、IToYからトラック業界におけるイノベーションに対して贈られる「トラック・イノベーション・アワード」には、メルセデス・ベンツの長距離輸送用大型BEVトラックのコンセプト「eアクトロス・ロングホール」が選ばれた。

 IToY2023と同日に、メルセデス・ベンツ・トラックのCEO、カリン・ラドストローム氏が賞を受け取った。

 トラック・イノベーション・アワードは、輸送セクターにおけるエネルギー移行に関して大きな技術的挑戦を行なったトラックを表彰するもので、IToYが選考している。

 この部門では欧州および南アフリカを代表するトラック雑誌編集者、ジャーナリストら25人が審査員を務めている。

 メルセデス・ベンツの長距離バッテリーEV(BEV)トラックは112票の得票を集め、ZFの「eトレーラ」、ボルタ・トラックスの「ゼロ」トラック、ファウンの「エンジニアス」燃料電池トラックを抑えて栄冠に輝いた。

 審査員たちが称賛したのは、急速充電と長寿命を両立したリン酸鉄リチウムイオン(LFP)電池技術と、メルセデス・ベンツ・トラックの迅速な開発プロセスだ。

 eアクトロス・ロングホールが初めて公表されたのは2020年だが、すでに走行試験を開始しており、今年には公道に出て、2023年には顧客の下での実運用を通じた試験が行われる。(ちなみにその顧客としては、EC大手のアマゾンと物流会社のレイノスが公表されている)

 また、トラクタのホイールベースを4m以内に抑えたコンパクトな車体に、合計600kWを超える3基のバッテリーパックと、電動アクスルの一部として連続400kWの出力をもたらす2基のモーターを組み込んだ点も評価された。

 IToYのジャネンリコ・グリッフィーニ会長は次のように総括している。

「メルセデス・ベンツのeアクトロス・ロングホールは、電動モビリティの新しい章を開きました。高い技術力と研究開発の努力を継続することで、長距離輸送のCO2ニュートラルは達成可能な目標であると証明しました」。

 IToYの規定では、トラック・イノベーション・アワードは、総重量3.5トン以上の代替エネルギーを使用する車両、または自動運転、隊列走行、リモート診断などコネクティビティ技術による高度なソリューションを対象としている。

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