このところ大型トラックへの安全装備の搭載が急激に進んでいるが、UDトラックスの大型トラック「クオン」も2022年モデルに安全装備を追加搭載。
併せて画期的な電子制御ステアリングシステムである「UDアクティブステアリング」の採用を拡大し、順次販売を開始した。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部、写真/UDトラックス・フルロード編集部
新たに追加装備された安全装置
このほどUDトラックスは、フラッグシップ大型トラック「クオン(Quon)」の2022年モデルに、ドライバーモニター、右側の側方衝突警報装置(BSIS)およびレーンチェンジサポート(LCS)の安全装備を追加搭載し発売開始する。
ドライバーモニターは、運転席のピラーに搭載したカメラが運転者の顔向き、姿勢、目の開眼度を検知し、運転者の状況に応じて注意喚起を行なう装置。
運転者が脇見をしたり運転姿勢を崩している場合や、目を閉じている眠気を感じていると判断された場合に、ディスプレイのポップアップ警告とブザー音で注意・休憩を促すものになっている。
いっぽうBSIS/LCSは、2019年11月施行の基準(R151)で、車両総重量が8トン以上の貨物自動車に関して、巻き込み事故が多い車両左側の側方衝突警報装置の搭載義務化が進められ、継続生産車には2024年5月から適用が定められている技術。
UDトラックスは2022年9月に、業界で最も早くR151に対応したBSIS/LCS追加モデルのクオンを発売してきたが、今回は車両右側にもBSIS/LCSを採用し、安全性をさらに確保した。
BSISは右左折時の側方の自転車などを、LCSが車線変更時に側方の車両をレーダーを使いスキャン。検知の段階では左右のピラーに搭載されたインジケーターが点灯し運転者に知らせ、衝突の可能性がでてくるとインジケーターが点滅に変わり、ポップアップ表示とブザー音で警報を行なうという技術になっている。
UDアクティブステアリング車型の拡大
2021年7月公表の電子制御ステアリング「UDアクティブステアリング」は、クオンの8×4のCGと4×2トラクタのGKの2車型が対象だったが、今回6×2のCD、6×4のCWの2車型にも採用を拡大した。
UDアクティブステアリングは、従来の油圧式ステアリングギア上部に新たに搭載した電気モーターによる支援機能である。
電気モーターに搭載した電子制御ユニット(ECU)が、1秒間に約2000回の頻度でさまざまなセンサーから運転環境を感知し、走行方向とドライバーの意図を判断。
このシステム制御によってステアリングの重さに適切なトルクを付加するので、速度や積み荷、路面状況などに左右されない安定したステアリング感覚を実現する。
同制御では低速走行時は軽く、高速走行時はやや重いステアリングで直進安定性をサポート。また、不整地走行時は路面状況の影響を軽減(キックバック抑制)。さらに横風発生時の走行補正、後退や右左折時の自然なハンドル戻り(タイヤの復元力)などが再現される。
UDアクティブステアリングは、ドライバーの疲労軽減と安全に寄与する画期的なステアリングシステムとして発売以来高い評価を得ており、今回の採用拡大で売れ筋のCDなどにも選択肢が広がったことになる。
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