インドのトラック事情に変化の兆し!? タタが商用車を一挙にモデルチェンジ!

新型トラックの特徴は……

インドのトラック事情に変化の兆し!? タタが商用車を一挙にモデルチェンジ!
タタ・モーターズは9月5日にトラックの一挙モデルチェンジを行なった

 インドのトラックの特徴というと、車格(GVW)に対してエンジン排気量・出力が小さいことや、カウル(フロントパネルのみの裸シャシー)から独自のキャブを架装する文化など、独特のものがある。

 その反面、車両価格が重視され、安全装備は未装着で、暑い国だがトラックにエアコンは付かないなど、仕様面では未熟とも言える状況があった。

 最大手タタ・モーターズの刷新されたトラックラインナップから、インドのトラックの何が変わったのか(そして変わらなかったのか?)を見て見よう。

インド初のCNG中・大型トラック

 小型トラックとバスにおけるCNG車の成功に続き、タタ・モーターズはインドで初めてGVW19トン/28トンクラスの中・大型車にCNGトラックを追加した。

 大型車の「シグナ」シリーズはエクステリアは従来車を踏襲するが、CNGエンジンの設定など内容は大きく変わった。このクラスに搭載するのは排気量5.7LのSGI-CNGエンジンで、180hpと650Nmを発揮する。

インド初の国産ADAS搭載トラック

 2010年にタタ・モーターズが導入した「プリマ」は韓国の子会社・タタ大宇が開発を行なっている。トラックラインナップの最上位に位置し、インド市場においてもプレミアムトラックとして展開する。

 同車は快適性、スタイリング、安全性、エルゴノミクスと運転のしやすさなど、インド国産トラックのベンチマークともなっている。

 新型プリマではインドの国産トラックとして初めてADAS(先進運転支援システム)を搭載した。なかでも衝突被害軽減システム(CMS)、車線逸脱警報(LDWS)などは、特にインドの道路・交通条件に合わせて広範な検証を行なったという。

 そのほかの安全機能としては、ドライバーモニタリングシステム(DMS)、エレクトロニックスタビリティコントロール(ESC:急なハンドル操作や急ブレーキに対して車両の姿勢を電子制御してスピン・横滑りを防ぐ)、タイヤ空気圧モニタリングシステム(TPMS)などを搭載する。

 新型プリマでは、キャビンを人間工学に基づき再設計した。これは車両の安全性に加えて、ドライバーにとっては運転時の快適性と利便性につながっている。

 これらの改良は運送業の関係者と協力して行なったもので、とりわけ長距離輸送の生産性向上を目的に、運送事業者、ドライバー、荷主企業からの意見を集め、詳細な検討を行なったのち、国産トラックの新たなベンチマークとなるような新型車の設計を行なったという。

用途が広い小型~中間型トラック

 タタ・モーターズがインド市場に合わせた中間型のトラックという構想を持ったのは1980年代後半だそうだ。実際にGVWでいうと6トンから17トンクラスの車両は、市場での存在感を拡大し続けており、経済をけん引してきた。

 ラストマイル輸送から長距離輸送まで用途が広いため、堅牢制と効率性、そして架装における汎用性も求められる。それに応じて積載量、ドライブトレーン、キャブオプションなども広範となる。

 この度ローンチされたのは、GVW6.2トンのダンプ完成車から同16トンのトラックまで7車種。このクラスにもCNGエンジンの設定があり、排気量3.8LのCNGエンジンは85hpと285Nmを発揮する。

 また、K.14「ウルトラ」キャブのダンプ完成車では、キャブエアコンが標準化した。インドのトラックのエアコンなしという伝統(?)は、ついに破られたようた。

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